第十七話 地下世界掌握その九
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「平時ならその国の主の耳に入り」
「処罰されるな、戦乱の時でもな」
「隣国に攻められます」
「虐殺に全てを注ぎ込めばだ」
「国の政なぞしている筈がなく」
「殺した分だけ国も弱まる」
義青は言い切った。
「そうなるからな」
「有り得ないですね」
「虐殺はあったにしてもだ」
それでもというのだ。
「全ての話が事実か」
「そうとか限らないですね」
「そうだ、中には後の為政者が貶める為にだ」
「喧伝した場合もありますね」
「その場合もな、敵国の評判を落とすにあたってだ」
それを狙ってというのだ。
「虐殺をしたと吹聴する」
「その場合もありますね」
「虐殺は悪だ」
紛れもなくというのだ。
「それを広めるとな」
「相手の評判は落ちますね」
「間違いなくな、だからだ」
「喧伝する」
「話を捏造してな」
そうしてというのだ。
「その場合もあるのだ」
「そうなのですね」
「そして効果がある」
虐殺の話を捏造し吹聴することはというのだ。
「だからよく確かめることだ」
「虐殺の話は」
「帝国が行っていなくてもな」
その虐殺をとというのだ。
「あったと捏造してだ」
「吹聴すれば」
マスが応えた。
「他国か帝国の中の不穏分子が」
「そうした輩もいるな」
「はい、色々な立場や考えで」
「帝国に反発していてな」
「蠢く者達もいます」
「そうした者達がだ」
まさにというのだ。
「吹聴するのだ」
「帝国に虐殺があると」
「そうだ、そうすることもあるのだ」
「そこは注意することですね」
「若しそうした話が起これば」
帝国が虐殺を行っていたとだ。
「それを即座にだ」
「否定することですね」
「証拠を出してな」
そのうえでというのだ。
「そうすべきだ」
「それも敵の攻撃ですね」
「捏造の吹聴もな」
「それにも気を付けることですか」
「これまではなかったが」
それでもというのだ。
「これからはだ」
「わからないですね」
「そうだ、悪辣な輩は手段を選ばずだ」
「そうした吹聴を行いますね」
「特にだ」
義青はここで一旦言葉を止めた、そうして一旦目を閉じそれを開いてから周りに険しい声になって話を再開させた。
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