第十七話 地下世界掌握その八
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「さらに血を求めるのか」
「その時に飽き足らず」
「果てしなく殺戮を行い何があるか」
「何もありません」
洋虎が言ってきた。
「まさに」
「そうだな」
「最悪自分以外の誰もいなくなります」
「虐殺を続けるとな」
「殺されるよりです」
「逃げる、誰が虐殺を楽しむ輩の傍にいたい」
それこそというのだ。
「一体」
「そういうことですね」
「むしろ殺される前にだ」
虐殺によってというのだ。
「自分達の手でだ」
「寝首をかきますね」
「そうなる、そして報いを受けたとな」
虐殺を行ったというのだ。
「そう言われてだ」
「終わりですね」
「そうだ、ただだ」
義青はこうも話した。
「起きた世界でも虐殺の話があるが」
「それでもですか」
「それが全て事実かというとな」
「違いますか」
「例えばだ」
こう前置きして話した。
「自分の家族を皆殺しにしてだ」
「家族をですか」
「自分のな、それで後になって何故それを止めなかったと言ってだ」
そうしてというのだ。
「側近を殺す輩だが」
「無茶苦茶ですね」
マチもその話には驚き呆れた。
「それは狂人ですか」
「そう思うな」
「有り得ません」
「家族も何か些細なことでだ」
「皆殺しにしたのですか」
「そして今度は側近をだ」
自分の家族を皆殺しにしたことを止めなかったと怒ってだ。
「殺す、客人もだ」
「自分のですね」
「去った後で殺してな」
そうしてというのだ。
「生首を周りに置いてこれで別れないだのこの世は苦しみに満ちているから殺しただのだ」
「そんなこともして言ったのですか」
「他にもあってだ、兎角虐殺を行い続け」
そしてというのだ。
「三百万いた領地の民が一万程度にまで落ちた」
「三百万も虐殺したのですか」
「そうだという」
「自分の部下も殺したのですね」
「さっき言ったが家族も殺し寵妃も殺し」
そうしてというのだ。
「当然兵もだ、子供でもだ」
「殺したのですね」
「投げて槍の穂先で受け止めてな」
その様にしてというのだ。
「他には皮を剥いだりしてな」
「惨たらしく殺すことも好きだったのですね」
「こうした話が全て本当か」
「あの、そこまで狂気に満ちているなら」
マチは義青に有り得ないという顔で答えた。
「周りの者も殺されていますね」
「当然な」
義青は即座に答えた。
「今言った通りにな」
「では殺される前にです」
「まさに寝首をかくな」
「そしてそこまで虐殺に血眼になっていれば」
それならというのだ。
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