白き極光編
第1章
ルーン・ブレード・イズ・グリステン
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「…よし、良いぞ! 走れ!」
ソルヴェントの手招きに応じ、彼の潜む茂みへロックとセリスが飛び込む。
「ふー…どうにかここまでは来れたか。洞窟まではあと少しだけど…」
ロックは葉の隙間から周囲を窺う。
襲撃を繰り返すコールドホワイトに対しては街の防御を固めよというアースクエイクの指示により、街の外を巡回する帝国軍は目に見えて減っている。
おかげで洞窟目前まではそこまでの苦労は無く来られたものの、フィガロ城とサウスフィガロ間の連絡を断つ為、洞窟の入口には黒い魔導アーマーを含めた部隊が簡易的な検問を敷いている。
「あれはヘビーアーマー…通常の魔導アーマーと比較して動きは鈍重だが重装甲かつ高出力だ。魔導レーザー発射口も発射時以外は装甲化されていて生半可な攻撃は効かない。接近戦を挑めばその重量も脅威となるだろう」
さすが元帝国将軍のセリスは帝国の兵器に関して詳しい。
「操縦席も前面に装甲が追加されているので、正面からでは搭乗者を狙う事も難しい」
「じゃあどうする?」
ロックはミスリルナイフを手にするが、あれの前では心許ないだろう。
「任せて。私は帝国の元将軍にして…魔導剣士。その真髄を見せてあげる」
セリスが目を閉じ、人差し指と中指を揃えた右手を顔の前に翳す。
そして静かに何かの詠唱を始めると、その指先に青白い魔力が集まり、渦巻き始めたのだ。
「…ブリザド!」
そしてその手を帝国軍へ向けると、突然ヘビーアーマーが動作不良を起こした。
「な、なんだ!?」
「おいどうした!?」
「分からん!」
まさか遠距離から内部機構を直接凍結させられたなどとは考えもつかないだろう。
ヘビーアーマーの周りに兵士達が集まり、あれでもないこれでもないと騒ぐ。
「行くぞソルヴェント!」
「ヨロコンデー!」
その隙は見逃さない。
茂みから同時に飛び出したロックとソルヴェントが、未だこちらに気付かぬ帝国軍へ襲い掛かる。
「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」
まずはソルヴェントがスリケン投擲!
連続して10枚投げられたスリケンは、背を向けていた帝国兵3人の肩、腕、脚などへ突き刺さり、一斉に崩れ落ちた。
「!? て、敵襲! 敵襲ー!」
ヘビーアーマーの操縦席で四苦八苦していた兵士が、駆けて来るロック達、そして最後尾で倒れた仲間に気付いて声を上げた。
「うおぉりゃっ!」
ロックの飛び膝蹴り! 振り向いた兵士の顔面直撃!
「イヤーッ!」
ソルヴェントが裏拳を側頭部へ叩き込む!
ヘルメット陥没! 脳震盪!
「くそっ!」
やむなくアーマー兵も剣を抜いて操縦席を飛び出し、残る兵士は5
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