断章1話 黒髭と呼ばれた男(中編)
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トの勢力下にない地域を積極的に回り、地上に降り立ったザフトのジンを中心としたモビルスーツ戦力の破壊、拿捕を行っていた。
何故、こんなドサ周りが必要か?
サイクロプスによる自爆戦術で下士官の信頼を大きく損なったからである。
勝利と引き換えに宇宙軍の中堅の2割が死亡。1割がサイクロプス事変で休職、退職を余儀なくされた宇宙軍は、平均年齢下がってよかったね、と皮肉られるくらいルーキーの比率が増えた。
じゃあ、地上はというと撤退戦で損耗を続け、こちらも新人だらけ。
不信を抱き、新人の面倒でストレスフルな下士官達に、目に見える形で連合上層部の『努力』を見せる必要があった。
だからモビルスーツ操縦などのノウハウの蓄積がある我々の部隊が、ある程度モビルスーツの教導や現地のザフトの脅威を自戦力で取り除く事で、地球連合全体に蔓延する『不信感』を払拭する必要があったのだ。
そんなに急いで各国を回る必要があったのか?
あった。何故なら、現状の軍のキルレシオに差がありすぎたから。
無論、サイクロプスでプラントの戦力も相当数焼いたので地上に下ろすザフト側の戦力も予定より減っている筈だが、残念ながらじゃあ具体的な数は?と聞かれても誰も調べていなかったし、現状、最も戦場で有用である機動兵器のキルレシオは連合:ザフトで1:5。
この数字は、対策を立てなければ、地球連合は小数のザフトの機動兵器で壊滅することを示していた。
どれだけ金を積もうと、兵器を揃えようと、それを使う『人』がいなければ話にならない。
流石に、ブルーコスモスにかぶれた上層部もそこは理解してくれたらしい。
連合の勢力の中では一番の大西洋連邦の佐官とはいえ、どさくさにまぎれて、コーディネーターやハーフコーディネーターの軍籍を回復の手続きを地球連合軍に上奏し、可決できたのは、なんのこともない、もはや上層部もなりふり構ってられなくなったからである。
勿論、ハルバートン少将以下、いわゆる中立派閥に話を通しておいたのはそうだが、恐らく有事でなければ上奏段階で却下されていただろう。
だが、この期に及んでブルーコスモスの差別は著しく。
特に地球軍のモビルスーツ関連のパイロットをコーディネーターにすると、露骨に嫌な顔をされる。
ならどうすれば良いのか?
その矛盾を、無理やり解決する手法が『これ』であった。
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「えー、ジョン・レイス中佐の尽力により、我が隊の一部がナチュラルの身でモビルスーツ操作が可能となった。それを称え、協賛のアズラエル財団より寄与された地球連合謹製のモビルスーツを与えるものとする」
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