第三部 1979年
新元素争奪戦
スペツナズ その1
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
と機体の爆破が目的と思われます」
白銀が尋ねた。
「それは既に北海道に工作員が潜入したという事ですか」
「そう取っていいでしょう……」
署長は、そう言って語尾を濁す。
海岸線の多い日本では、潜水艦や小型のボートを使った洋上からの侵入は容易だからだ。
北海道では、冷戦時代、ソ連の工作船による密入国事件が相次いだ。
レポ船と呼ばれる日本人が操業する漁船によるスパイ事件が横行し、北海道に駐留している自衛隊の配備状況に関する情報を高額で提供していた。
「それは、大変な事ですな」
鎧衣はいつもの如く不敵の笑みを湛えて、応じた。
「いつどんなルートで入ったか、明確につかんでいないのか」
マサキは言葉を切ると、タバコに火をつけた。
「この情報では、そこまで触れられていない」
署長は、一応、そう返す。
マサキは少し落胆した表情で、男の方を向いた。
しばしの間、その場に静寂が訪れる。
「言うまでもありませんが、これは国家安全保障上の機密です。
くれぐれも新聞は勿論の事、他の関係省庁への完全な極秘体制を取っていただきたい」
ソ連のスパイ工作の浸透を受けていたのは、警察よりも自衛隊の方が深刻だった。
署長はこの事を念頭において、マサキ達に警告したのだ。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ