白き極光編
第1章
ザ・シーフ・アンド・ジェネラル
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コルツ山を強行突破したコールドホワイトは、ロックとソルヴェントをサウスフィガロ近郊に降ろし、自身は付近の帝国軍へ散発的な攻撃を開始した。
その騒ぎに乗じ、ロック達は帝国の占領下に置かれたサウスフィガロへの潜入に成功していた。
「おう、なんの騒ぎだ」
1人の帝国兵が、街の外が慌ただしい事に気付き、入口で見張りをしている仲間に声を掛けた。
「ニンジャが暴れてるそうだぜ。フィガロ王国配下のニンジャらしい」
「フィガロぉ? ああ、そういやフィガロ城は砂漠に潜ったままなんだったか」
「そうなんだよな。手が出しにくいったらねぇや。でもまぁ、その為にもうすぐアレが届く予定だ」
世間話をする帝国兵達へ、商人が1人近付く。
「どうも、お役目ご苦労様です。ポーションでもいかがです? お安くしときますよ」
が、押し売りと見られたか帝国兵は虫でも追い払うように手を振る。
「あー? いらんいらん、店ん中で大人しくしてろ。シッシッ」
「へぇ、すんません」
商人はそそくさとその場を後にして路地裏へと入った。
「…ちっ、やっぱそう上手くは行かないか」
目深に被っていた帽子を親指で持ち上げたロックが舌打ちする。
彼の隣の石畳が液状化して盛り上がり、そこからソルヴェントが現れる。
通常、ドトン・ジツはその名の通りに土の中に潜るジツだが、彼の使用するそれは固い地盤、果ては石にすら潜行可能な強化ドトンなのだ。
自身の肉体の触れている範囲に限定されるが、液状化させて潜り込み、離れればまた元の地面に戻って痕跡を残さない、まさに潜入任務にうってつけのジツだ。
「ロック=サン、こっちは収穫ありだ。魔導アーマーの予備部品を保管した倉庫の扉を、内側から塗り固めてやった。しばらくはアーマーの整備も修理も滞るはずだ」
「ナイスだソルヴェント。入ろうにも魔導レーザーなんかブチ込めば誘爆する。奴らも手作業で地道に扉を壊すしか無いだろうな」
2人は手の甲を軽くぶつけ合う。
ソルヴェントは少なくとも外見上はロックと年の頃は大差無い。
性格的にも馬が合うので、早くも悪友とでも言った間柄となっている。
「こっちはあいつらに睡眠薬入りのポーション飲ませて変装用の服でもブン取ろうと思ったんだけど、なかなか警戒心が強くってな…」
「お、それなら良い感じにチョロそうな奴を見たぞ。注意力散漫で、後ろをモータルの子供が駆け抜けても気付きゃしない。ありゃ多分正規兵じゃないな。他の帝国兵にペコペコしてたし、臨時徴用の下級兵士じゃないかな」
ソルヴェントはサウスフィガロの地図に印を付ける。
彼は既に至る所へ潜行と浮上を繰り返して偵察し、街の警備体制を把握しているのだ。
ソルヴ
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