暁 〜小説投稿サイト〜
ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
第1章
ザ・シーフ・アンド・ジェネラル
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は要点を述べねば意味があるまい」

「は、はい! 今朝方搬入されたディッグアーマーを、何者かが持ち出しました!」

 その報告に、アースクエイクの眉が僅かに動いた。

「…持ち出した者の目星は?」

「5分ほど前、点検を終えた整備兵が側を離れる際、ブラム曹長が部下1人と共に様子を見に来るのとすれ違ったとの事! 入口を警備していた兵が、大通りを抜けて街の外へ出るディッグアーマーを目撃したのはその直後なので間違いないかと…」

「ブラム=サン…セリス=サンの拘束を命じていた男だな。…おい、大至急、地下室を確認しろ!」

 ロック達は顔を見合わせた。既に脱走がバレたのだ。

「…いません! ブラム曹長も、セリス元将軍も!」

「ディッグアーマーの向かった先は」

「外へ出てすぐに地中へ潜行してしまったのですが…その際の機体の向きから西ではないかと…」

 アースクエイクは近くの木箱へ拳を打ち付けて粉砕する。

「奴め…! 西はフィガロ城の潜伏する砂漠だ。独断でフィガロを落とし、その功績でセリス=サン脱走の失態を有耶無耶にするつもりだ!」

「ど、どうしますか…?」

 未だ怒り冷めやらぬアースクエイクだが、彼は激情に駆られて判断を誤るニンジャではない。

「…今は放置せよ。どのみち潜行していては手が出せん。ディッグアーマー単機でフィガロを落とせるなら良し。戻ってから処遇を考えても遅くはない。今はそれよりもリターナーだ」

 アースクエイクは自身の左側に立つ悪魔めいた石像を一瞥した。

「ガーゴイル=サン」

 すると、石像の目蓋が開かれ、瞳に赤い光が灯る。
 石めいて灰色だった身体は、見る見る内に彼本来の色に染まった。
 全身を覆うカメレオン式ステルスニンジャ装束は、その色を濃緑色に固定した。

「スクラピュラスエミッサリー=サンが戻らん。定時連絡も無い」

 ガーゴイルと呼ばれたニンジャが報告した。

「手柄欲しさに独断専行でもしてしくじったか? フゥ…ガーゴイル=サン、頼めるか」

「任されよう。…再び共にイクサの場に立てて光栄だ、アースクエイク=サン」

 ガーゴイルの言葉を受けたアースクエイクは、メンポで口元は窺い知れぬが、纏うアトモスフィアが軟化したように見受けられる。

「俺もだガーゴイル=サン。シックスゲイツ随一の斥候ニンジャに今一度頼らせてもらう」

「フッ…イヤーッ!!」

 ガーゴイルは家々の壁を蹴って屋根へ上ると、さらに大きく跳躍し、背中に装備した凧ウイングを空中で展開。
 吹き寄せる風をコントロールして滑空し、コルツ山方面へと急行した。
 ロック達の姿は既にそこには無かった。
 ディッグアーマーの話題が出た辺りで、警備が厳重になる事
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