暁 〜小説投稿サイト〜
ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
第1章
ザ・シーフ・アンド・ジェネラル
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ェントの情報を頼りに、ロックは勝手知ったるサウスフィガロとばかりに路地裏を抜け、時には商人のふりをして民家の抜け道を使わせてもらい、ようやく件の兵士を発見した。

「…なるほど。目に見えてアホだなアレ」

「な?」

 通常の帝国兵と異なる黄緑色の鎧を纏った兵士は、自分の見回り担当場所らしきルートをダラダラと歩いていたかと思えば、他の兵士が近くにいない事を確認すると、近くのベンチに寝っ転がって雑誌を読み始めたりしている。
 誰がどう見ても正規の訓練と教育を受けた、規律正しい兵士のそれではない。

「よし、ちょっと行って来る」

 ロックは改めて商人に扮して歩き出した。

「旦那、旦那」

「うおぉっ!? す、すみません! 持ち場に…あ? なな、なんだお前!?」

 突然声を掛けられた兵士はベンチから転げ落ちるように頭を下げたが、相手がただの商人だったと分かると、情緒不安定なレベルで高圧的になる。

「き、気安く話し掛けるな! 俺は天下のガストラ帝国の兵士だぞ!」

「…よくも下っ端兵士でこんなに威張れるもんだ…」

 ロックは相手に気付かれない小声でごちると、構わず言葉を続けた。

「すいやせん、ただぁ、旦那がお疲れのようだったんで…お役目が大変なんだろうと、疲労回復ポーションの差し入れを、と…」

「ほ、ほほー、自分の立場が分かってるじゃないか。よしよし、そういう殊勝な態度の奴は悪いようにはしないぞ。へへ、儲け儲け…入って良かったぜ帝国軍」

 ロックの差し出したポーションの瓶をひったくるように受け取ると、兵士はその場で飲み干した。
 そして当然、即効性のある睡眠薬入りなのでその場に崩れ落ちてイビキをかき始めた。

「おいおい…さすがに警戒心無さ過ぎて心配になるぜ…」

「上手く行ったな、ロック=サン」

 2人は爆睡する兵士を担ぐと物陰に運び、服を剥いだ後は縛って木箱に押し込んだ。

「俺にはちょっと大きいけど…ま、良いか」

 かくしてロックは無事に帝国兵に化ける事に成功。
 下っ端らしいのであまり行動の自由度は無さそうだが、民間人や商人に比べれば怪しまれにくいだろう。

「ロック=サン、ここに警備網の穴があって、こっからなら街を出られそうだ。ただ、どうやらこの家の地下にでも抜け穴があるみたいで、他からは辿り着そうな道が見当たらないんだ」

 ソルヴェントのジツは基本的に自分だけしか潜行出来ない為、ロックが街を脱出する場合は各自で脱出路を確保する必要がある。

「OK。…ここは確か街一番の富豪の家だな。防犯の為に非常通路でも作ったのかな?」

 家主には悪いが、この帝国兵の横柄さであれば家に押し入ったとて咎められはしないだろう。

「待機状態だった何機
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