第十七話 地下世界掌握その四
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「何かと」
「科学で証明されたこともな」
「その科学を否定します」
「宗教だのを理由にな」
「非科学的ですね」
「科学は万能ではない」
義青はまずこのことを言った。
「決してだ」
「そうしたものではないですね」
「今の科学で未来の科学も語れない」
「科学は進歩するものなので」
「そうだ、しかしな」
「科学は重要ですね」
「それを否定してもだ」
科学が根拠を出したものもというのだ。
「事実は存在する」
「左様ですね」
「だがその事実を否定してだ」
科学が証明したそれをというのだ。
「偏見を撒き散らす」
「そうした輩もいますね」
「嘘まで吹聴してな」
「おかしなことに」
「知性や知識もだ」
そうしたものもというのだ。
「否定する」
「反知性主義ですね」
「そうした思想を唱えるとな」
そうなると、というのだ。
「最早どうにもならないが」
「そうしたどうにもならない愚か者もいますね」
「無能な働き者も怠け者も科学や知性を認めているとな」
「違いますね」
「全くな、科学や知性を認めずだ」
そうであってというのだ。
「根拠のない嘘を撒き散らすならだ」
「屑になりますね」
「そうなる、ここでも言うが屑はどうにもならない」
用いることは出来ないというのだ。
「雑草という草はないが害にしかならない草はある」
「毒草でしょうか」
「毒も使い様によっては薬になる」
ラダメスにこう返した。
「だから毒草はいい」
「そうなのですね」
「しかし害にしかならない草はな」
それはというと。
「何があろうともだ」
「駆除することですね」
「そうするしかない、どの草にもそれぞれ役割があるが」
「中には害にしかならない草もある」
「人も同じでな」
そうでありというのだ。
「そうした面からも屑はな」
「排除しますね」
「そうする、人は種族や民族や宗教で分けない」
義青は言い切った。
「それが帝国の政でだ」
「世界の礎にもしますね」
「そうしている」
マガモに答えた。
「そうした偏見が世界にあるとな」
「厄介なことになりますね」
「偏見に基づく戦はこのうえなく惨たらしいものになる」
「そうなりますか」
「例えば他の宗教を認めずだ」
そうしてというのだ。
「戦を行えばどうなるか」
「際限のない戦になります」
マガモは眉を顰めさせて答えた。
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