暁 〜小説投稿サイト〜
世界の礎
第十七話 地下世界掌握その四

[8]前話 [2]次話
「何かと」
「科学で証明されたこともな」
「その科学を否定します」
「宗教だのを理由にな」
「非科学的ですね」
「科学は万能ではない」 
 義青はまずこのことを言った。
「決してだ」
「そうしたものではないですね」
「今の科学で未来の科学も語れない」
「科学は進歩するものなので」
「そうだ、しかしな」
「科学は重要ですね」
「それを否定してもだ」 
 科学が根拠を出したものもというのだ。
「事実は存在する」
「左様ですね」
「だがその事実を否定してだ」
 科学が証明したそれをというのだ。
「偏見を撒き散らす」
「そうした輩もいますね」
「嘘まで吹聴してな」
「おかしなことに」
「知性や知識もだ」
 そうしたものもというのだ。
「否定する」
「反知性主義ですね」
「そうした思想を唱えるとな」
 そうなると、というのだ。
「最早どうにもならないが」
「そうしたどうにもならない愚か者もいますね」
「無能な働き者も怠け者も科学や知性を認めているとな」 
「違いますね」
「全くな、科学や知性を認めずだ」
 そうであってというのだ。
「根拠のない嘘を撒き散らすならだ」
「屑になりますね」
「そうなる、ここでも言うが屑はどうにもならない」
 用いることは出来ないというのだ。
「雑草という草はないが害にしかならない草はある」
「毒草でしょうか」
「毒も使い様によっては薬になる」 
 ラダメスにこう返した。
「だから毒草はいい」
「そうなのですね」
「しかし害にしかならない草はな」
 それはというと。
「何があろうともだ」
「駆除することですね」
「そうするしかない、どの草にもそれぞれ役割があるが」
「中には害にしかならない草もある」
「人も同じでな」 
 そうでありというのだ。
「そうした面からも屑はな」
「排除しますね」
「そうする、人は種族や民族や宗教で分けない」
 義青は言い切った。
「それが帝国の政でだ」
「世界の礎にもしますね」
「そうしている」 
 マガモに答えた。
「そうした偏見が世界にあるとな」
「厄介なことになりますね」
「偏見に基づく戦はこのうえなく惨たらしいものになる」
「そうなりますか」
「例えば他の宗教を認めずだ」
 そうしてというのだ。
「戦を行えばどうなるか」
「際限のない戦になります」
 マガモは眉を顰めさせて答えた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ