白き極光編
第1章
フラッグ・オブ・ストラグル
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コルツ山を下山した一向は平原を進む。
幸いにしてまだ日は高い。サウスフィガロへ向かった時のような無茶をする必要は無いのだ。
「ツェン、アルブルグ、そしてマランダ。ガストラ帝国の武力侵攻で多くの国がその支配下に入った」
道すがら、ロックが帝国とリターナーの情勢に関する話を始めた。
「ツェンとアルブルグへの電撃的な侵攻と占領を見て取ったマランダは、リターナーに接触を図ったけど…如何せん地理が悪かったんだ。何しろ帝国と地続きだったからな」
印を付けた世界地図に、コールドホワイトは目を落とす。
「港町であるアルブルグを手に入れた帝国は、陸海両面から軍を展開して一気にマランダを落とした。残っている反帝国勢力は、フィガロ、ドマ、ニケアくらいさ」
「あとはナルシェのご老人達を説得さえ出来れば…だが、まだ交渉材料が足りない…」
エドガーもロック同様に難しい顔をして地図を眺めている。
「1度帝国からの攻撃を受けてはいるが、彼らはまだ自分達の立場に驕っている。ナルシェは世界有数の鉱物資源の産出国だからな。帝国も無茶な攻撃はしないはずと思っているんだ」
「それもあのケフカって奴が指揮官になったら、どうなるか分かったもんじゃない。いきなり城に放火するような奴だからな。後先考えずに街を破壊し尽くすかもしれない」
ロックはケフカの他者を嘲笑い見下す嫌味な顔を思い出してウンザリした表情。
「…まぁ、それを差し引いても魔導エネルギーを主軸にしつつある帝国がどこまで配慮してくれるか怪しいものだが…」
当然、城に火を掛けられた当人であるエドガーも同じ表情である。
「ならばそのドマだのニケアだのが健在な内に帝国を討たねばなるまい。この配置は相手に多正面作戦を強いる事が出来る一方、距離が離れていて連携し辛いが為に各個撃破の恐れもある」
「ああ。フィガロが正式にリターナーと組んだ今、大きく動く時だ」
ニケアの海上輸送能力とナルシェの資源をバックに、精強なサムライを擁するドマと発達した機械兵器を扱うフィガロ。
そこに各地へ潜伏するリターナーの戦力を合流させるのだ。
さらに帝国本土への攻撃に成功すれば、今は従っているマランダなどの帝国に滅ぼされた国々の敗残兵も、反旗を翻すかもしれない。
「そのプランを今から詰めようってわけさ。ニンジャも協力者に加わった事を知れば、バナン様も喜ぶだろうさ」
5人が話しながら歩みを進める先は、コルツ山も含めたサーベル山脈と呼ばれる縦長の山脈、その北東部分である。
山脈を外縁とした内側に僅かな平原地帯が存在しており、基本的にはコルツ山の山道を経由してのみ進入出来る、天然の要害と言えるエリアである。
リターナー本部はそのエリア最奥部の洞窟を利
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