白き極光編
第1章
フラッグ・オブ・ストラグル
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でな。貴公より前に協力者となってくれていたのだ」
バナンはソルヴェントの肩を叩いた。
「彼の能力は大きな助けとなろう」
「任せてくれバナン=サン。俺が得意なのは、見ての通りのドトン・ジツだ。よろしく頼むぜ、コールドホワイト=サン!」
ソルヴェントは気さくにコールドホワイトの手を取って握手した。
「う、うむ…お前、元はどこだ?」
「元? あー、向こうでのな! 俺はザイバツだよ。ザイバツ・シャドーギルド」
「…俺はソウカイヤ…そしてアマクダリだ」
ザイバツとソウカイヤ…元の世界では敵対関係にあった組織同士だ。
「気にすんなよ、そんな事! ここにはソウカイヤもザイバツも無いじゃないか。あっちでの関係をこっちに引っ張ったってしょうがないだろ?」
地中潜行を行うドトン・ジツの暗いイメージとは随分とかけ離れた性格の男である。
が、こうも裏表が無いと、気にしている自分が馬鹿馬鹿しくなってくる。
「俺、こっち来てからしばらく1人で彷徨ってたんだけど、恥ずかしながら行き倒れちゃってさ…アハハ…通りがかったリターナーの連中に助けられたんだ」
「略奪などはせんかったのか」
「んー…なんか…そんな事をする気にならなかったんだよな…暴れたい衝動も湧かないって言うか…」
やはり、この世界でニンジャソウルが弱まっているのは自分だけではないらしい、とコールドホワイトは確信した。
しかし同時に、この男は元々そこまでの邪悪性を持っていなかった節もある。
「とりあえず行こうぜ。ロック=サン、コールドホワイト=サン。ここを帝国の連中に見つかる訳にはいかないしな」
「ふふふ…1人を生かしておいて逃がせば案の定よ。あれがリターナーとやらの拠点に違いない」
茂みの中から顔を出した者あり。ニンジャだ。
彼はガストラ帝国に与する斥候ニンジャ、スクラピュラスエミッサリー。
ダークスーツめいたニンジャ装束を纏い、リターナー本部の位置を探っていたのである。
「すぐにでもサウスフィガロのアースクエイク=サンに報告を………いや、待て…」
そこで彼は茂みの中へと身を隠して座り込んだ。
「それで送られた増援と共に陥落させたら、俺の手柄はどうなる…? 増援連中と均等に…?」
左右の指を折って何やらロクでもない計算をしている様子だ。
「どうせ中にいるのは非ニンジャのクズばかり…それならば俺1人で手柄を独占出来るのでは…? リーダー格さえ生け捕りにすれば良いのだ。そうだ! 手柄は立てれば正しくなる!」
スクラピュラスエミッサリーはカタナを抜くと、その刀身に己の顔を映し出して決意を固める。
「手柄だ! イサオシだ! イヤーッ! グワーッ!?」
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