暁 〜小説投稿サイト〜
ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
第1章
フラッグ・オブ・ストラグル
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シュ。ティナ自身も決心したんだ。我々が悩んでいる場合じゃないな」

 方針が固まった。
 ナルシェ住民の、そして幻獣の協力を得るべく、彼らはバナンと共に再びナルシェへ向かう事となったのだ。
 そのルートを協議している時だった。

「バ、バナン様…! 大変です…バナン様…!」

 1人の傷だらけの兵士が飛び込んで来たのだ。

「な、なんじゃ!? おい、どうしたのだ!」

 倒れそうになった兵士をバナンが支え、とりあえずテーブルの上に寝かせて手当てを急がせた。

「て、帝国がサウスフィガロを…占領しました…!」

「何っ…!?」

 エドガーの顔色が変わった。

「さ、さらに…そこを拠点に…この近辺にリターナー本部があると当たりを付け…部隊を派遣しています…!」

「むぅ…気付かれたか…作戦を急がねば!」

 サウスフィガロ方面から部隊が展開しているとなると、バナンを連れてコルツ山、そしてサウスフィガロの洞窟を通過してナルシェに向かう、ここまでの逆走ルートは使えない。
 危険だが、レテ川を下り、水路でナルシェ近郊へ向かうしか無いのだ。

「俺はサウスフィガロへ潜入してみる。あそこで騒ぎを起こして、後方撹乱をするんだ。流言、物資焼失、やりようはあるさ」

 ロックが進み出て提案した。

「…頼む、ロック。我々はバナン様を護衛してナルシェへ向かう」

 エドガーが頭を下げると、ロックは頷いてティナの肩を軽く叩いた。

「ティナ、俺が戻るまで大人しくな。特に手が早いので有名な某王様には気を付けてくれ」

「ロック!」

 エドガーが顔を真っ赤にして怒鳴る。

「兄貴は昔からそこは変わんないんだな…」

 マッシュは呆れ顔。

「待て、ロック=サン。俺も行く」

「コルディ?」

「川下りでは俺の得意戦術は使えん」

 コールドホワイトはスノーモービルのハンドルを握るジェスチャーをする。

「お前をサウスフィガロへ送り届けた後、俺は近辺で遊撃を行う。多少の足止めは出来よう」

 視線を交差させたロックとコールドホワイトは互いに頷き合い、外に出ようとした。

「コールドホワイト殿。それならば連れて行って欲しい者がいる」

 その背を呼び止めたのはバナンだ。
 振り向いたコールドホワイトは、バナンの隣の地面が隆起する様を目撃した。
 まるで液体になったかのような地面から出て来たのは…土色のニンジャ装束と、ゴーグル付き同色頭巾、18の呼吸穴が並んだメンポを着けたニンジャだ!

「ドーモ、はじめまして。ソルヴェントです」

「ドーモ、ソルヴェント=サン。コールドホワイトです。バナン=サン、これは?」

「隠していてすまなかったが、秘中の秘という奴
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