暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
Part3/ミノタウロスを追え
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いく。シュウもディバイドシューターを構えて後に続き、洞窟へ飛び込んでいった。
「彼らだけで大丈夫だろうか」
一人残されたラルカスは、ポツリと不安を口にする。さっきも二人に行ったが、ミノタウルスでなくとも、野盗の中にメイジがいる可能性だってある。
「いや、だからといって共に行くようでは、全員そろって罠に引っ掛かるようなものか。やはり待つしかないか」
二人を案じて同伴するべきか考えたが、それはそれで二人の危険を承知での覚悟を無視したことになるだろうと、異変が見受けられるまで待つことにした。
「っぐぅ…」
だが、そこでラルカスの頭の中に、鈍器で殴られたような強い痛みが走った。その痛みに耐えかね、彼は洞窟入口の岩盤に背中を預け、両手で頭を掴みながら崩れ落ちた。
「はぁ…また…はぁ…はぁ…!!」
頭の次は胸を押さえつけ、一層脂汗が滴るラルカス。再び小瓶を開けて薬の一粒を飲もうとしたが、ふたを開ける前に小瓶を地面にポトリと落としてしまい、その場で四つん這いとなってうずくまる。
苦悶のあまり閉ざしていたその目は、次に開かれた瞬間…

怪しげな金色の光を放っていた。



洞窟を進む一方でシュウは…さっきのラルカスの反応が、なんとなく気になった。さっきの沈黙や突然の頭痛の際もなんとなく、なぜかタバサをじっと見ていたような気がした。昼間にジジを見つめていた時の、あの視線と同じだったような…。
(あの男のあの目…幾度も見たことがあるような気がする)
ラルカスの、タバサやジジを見ていたあの視線の意味に、覚えがあるような引っ掛かりを感じていた。
(いや、今は洞窟の中の連中の方が先か)
シュウは、今は洞窟内のイルククゥや、彼女を中に引きつれたニセミノタウロスの対処に集中することにした。
洞窟の中をかけていくと、内部に松明の灯りがすぐに見えた。イルククゥの周りを、野盗たちが囲っている。
タバサは洞窟に向かって駆け出す中で詠唱。それを完了させると即座に、洞窟内を照らしていたカンテラの灯りの持ち主のならず者に〈ウィンディ・アイシクル〉を放つ。シュウも麻酔弾を一発、別のならず者に向けて発射。
「が…!?」
「くそ!やっぱこいつら村の」
回し者かと言おうとしたが、その先はシュウの放った蹴りで遮られる。
ならず者たちは反撃に出ようとするが、タバサとシュウの二人の動きが速かった。シュウが素早い身のこなしで一人ずつ男たちを殴り倒していく間、タバサが氷の矢を、各一人の喉元に浮遊させながら突きつける。
「動けば刺す」
全員例外なく、氷の矢を喉元に突きつけられ、ならず者たちは誰も反撃できなくなった。苦々しく武器を捨てて降伏の意を示す。
それを見てタバサはシュウにロープを渡し、シュウもすぐにならず者たちを縛り上げ、ついでにイルククゥの見せかけのロープも
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