暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第253話:いざ、月へ
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 種子島宇宙センター……日本に唯一存在する、宇宙への出口とも言えるスペースシャトルの発射基地である。元々日米合同で月遺跡調査の為探索チームを送り込む為、シャトルの発射準備が行われていた。
 そのシャトルは今、ジェネシスの暴挙を阻止するべくS.O.N.G.が月遺跡に向かう為に使われる事となり、シャトルも装者と魔法使いを月へと運ぶ為に準備が進められていた。

 発射台に乗せられ、燃料が注入されていく。その様子を颯人達はシャトルが見える位置から見守っていた。

「うひょぉ〜、分かっちゃいたがスペースシャトルってのはデッカイもんだ……!」
「これからあれに俺達が乗るって、正直な話ちょっと信じられないな」

 颯人とガルドが遠目にも巨大に見えるシャトルを眺めながら感慨深そうに話している。実際人類が宇宙に行けるようになったとは言え、それは決して自由自在にと言う訳にはいかない。飛行機で海外に飛び立つのとは訳が違って、一機打ち上げるだけでも億単位の金額が必要になるし、搭乗員にも宇宙での活動に耐えられる訓練が課せられる。一度打ち上がってしまえばもう後戻りは出来なくなる為、健康状態に関しても厳しく管理された。もしシャトルが打ち上がった後でお腹が痛い、何て事になっても気軽にトイレに行く事も難しい。

 しかし今回は本当に緊急事態でもある為、訓練などに悠長な時間を掛けてはいられないので颯人達はそう言った訓練は全てすっ飛ばしてシャトルに乗り月へと向かう切符が手渡された。発射の時間が迫る中、普段荒事に突っ込む颯人達も緊張を隠す事は難しかった。

 そんな中で特に緊張しているのは、ある意味で今回のキーパーソンとなり得る未来である。正確には彼女の中に居るシェム・ハが重要なのだが、シェム・ハが月遺跡に降り立つ為には依り代である未来の同行が必要不可欠。普段響達が戦う様子を後ろから見ているしか出来なかった彼女だが、今回ばかりは響達と共にシャトルに乗り宇宙へと旅立つ事となっていた。
 常々戦う響を後ろから見ているしか出来ない事に、歯痒さを感じずにはいられなかった未来。だがいざ彼女と並び立って危険が待ち受ける場所へと向かおうと言う時になると、不安と緊張で落ち着かなかった。

「ふぅ……」

 思わず緊張から溜め息が零れる。そんな彼女を、響が隣で支えていた。

「大丈夫だよ未来! 何が起こっても未来は私が守るから!」
「響……ありがとう。でも大丈夫。今回は私も、ただ見てるだけじゃないから」

 響からの激励にそう返す未来の腕には、シンプルなデザインの腕輪が嵌められていた。神獣鏡のファウストローブのスペルキャスターである。今回、どう足掻いても未来も荒事に巻き込まれざるを得ない。そんな時に身を守る物が無いといざと言う時に不安なので、急遽アリスが改めて未来が扱える
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