暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第253話:いざ、月へ
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ようにと組み直したのだ。基本的な機能はファウストローブであり、シェム・ハが彼女の精神を乗っ取りダイレクトフィードバックシステムに支配されていた時と大差はない。ただ今度のは未来への負担を可能な限り小さくする為、ファウストローブでありながら実態はシンフォギアに近い形で収めていた。そう、セレナに合わせたアガートラームに近い形だ。未来はセレナ程負担を気にする程でも無かったので、魔力によるサポートを必要としない分あちらよりも作り直すのは簡単であった。

(我も居ると言う事を忘れるな未来。お前の身に何かあれば、我だってただでは済まぬのだ。いざと言う時は我も戦う故、不安に思う必要などない)

 未来が響とばかり話していると、除け者にされたような気分になって寂しくなったシェム・ハがアピールしてきた。言葉は尊大だが、確かに自分の事を心配して元気付けてくれるシェム・ハの存在に、未来は響に感じたのとは別種の安心感を感じ肩から力を抜いた。

(はい! 頼りにしてますね、シェム・ハさん!)
(フン……当然だ)

 来たる宇宙への旅立ちの瞬間を前に、誰もが期待と不安を感じていた。だがそんな中でも、透は警戒を怠らなかった。

「ですが皆さん、注意してください。これだけ大々的に動けば、ジェネシスもこちらの動きには気付きます。僕らの月遺跡入りを阻止するべく、ワイズマン達が邪魔をしに来ることは間違いありません」
「透の言う通りだ。暢気に構えてる暇はねえぞお前ら」
「勿論デース!」
「はい」

 透とクリスの指摘に、気を引き締め直す装者と魔法使い達。ジェネシスの連中だって馬鹿ではない。こちらがあちらの動きを予想したように、あちらもこちらの動きは予想している筈だ。ましてやシャトルの打ち上げなんて派手な動きをしていれば、嫌でも連中は気付く。そうなれば、S.O.N.G.を地球に封じ込める為、シャトルの破壊の為に襲撃を掛けてくるのは簡単に予想出来る事であった。

 だからこそ颯人達は、発射時間ぎりぎりまでシャトルが見える位置で待機していたのだ。予定では発射時間になったら地球に待機するキャロルとハンス、輝彦らが周辺の警戒を引き継ぎ颯人達はシャトルに乗って宇宙へと旅立つ事になっていた。

 もし一番襲撃される危険があるとすればそのタイミングだ。だが颯人達がシャトルに乗り込むことそのものを阻止しつつシャトルの破壊も狙ってくる可能性もあった。故に彼らはこうして警戒しているのだ。

 刻一刻と時間が過ぎていき、もう間もなく颯人達がシャトルに乗り込む時間が近付いてきた。そろそろ移動し搭乗しようと颯人達が動き出したその時、彼らが耳につけている通信機に慌てた様子のあおいの声が響いた。

『皆大変よッ! センサーにジェネシスの魔法使いと思しき反応が多数検知、真っ直ぐシャトル
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