班決め
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見滝原市役所。
見滝原北の中心にある、高い建物である。さんさんと輝く太陽を反射させながら、ハルトの目を刺す。
見滝原北の中でも、今ハルトたちが立っているこの広場は、言わば見滝原の最重要行政区だ。中心に設置された大きな時計台を中心に、各行政役所や大企業に繋がっている。
「にしても高え建物だな」
額に手を当てながら、そんな呑気な声を上げるのは、多田コウスケ。
ハルトと同じく指輪の魔法使いにして、聖杯戦争の参加者。
響のマスターであり、先月フロストノヴァと熾烈な戦いを繰り広げた同志である。
「そういやあのおっさん、市長だもんな。さぞ最上階でふんぞり返ってるぜきっと」
「市長にどんなイメージ持ってるのよ」
リゲルがピシャリとコウスケを黙らせる。
彼女はそれだけでコウスケから目を離し、この広場に集まった面々の顔をざっと見渡した。
「聖杯戦争の参加者なのに……戦わない選択をした人も、随分と増えたものね」
リゲルが呆れたように目を細める。
見滝原北にある、大きな時計広場。地下に設置されている見滝原北駅から直結で繋がっているこの場所は、すぐさま各役所や企業に繋がっており、ビジネスアワーでは人の流れが消えることは決してない。
その広場の端、公衆電話の傍に設置されているベンチに、リゲルと鈴音以外の女子参加者たちは腰を下ろしていた。
「ライダーにセイヴァーにランサー……ここまでは知ってたけど、シールダー、ゲートキーパーまでこの場に追加だなんて」
「蒼井、頑張ります!」
「乗り掛かった舟だ」
フロストノヴァの隣で両手を握るのは、蒼井えりか。
短く切り揃えた髪とくりくりした目が特徴で、外見としては普通の少女と大差ない。だがその実は、シールダーのサーヴァントであり、つい先日の戦いを経て、令呪の宿主をハルトに変更した聖杯戦争最強の防御力の持ち主である。
えりかは隣のフロストノヴァに「一緒に頑張りましょう!」と声をかけた。
リゲルはえりかから視線を外し、他の者たちにも視線を当てる。
この場には、ハルトと長らく共に聖杯戦争を止めるために動いてきた者たちが集まっている。
ハルトのサーヴァントであるライダー、城戸真司。
ハルトの第二のサーヴァントにしてシールダー、蒼井えりか。
可奈美と友奈のセイヴァーコンビ。
コウスケに、響という戦力としてトップクラス。
そして、フロストノヴァ。
「素晴らしいですね」
一望した鈴音も頷く。
「これだけの人数がいれば、あの巨人にも対抗できるはずです」
「だといいけど……衛藤可奈美……あなた、結局どうなの? 戦えるの?」
リゲルが可奈美へ冷ややかな目を向けた。
「うん」
可奈美は少し自信がなさそう
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