第2話 異界の住人
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「あ、悪魔・・・。」
目の前の少女、いや、悪魔の言葉に、忍はいよいよ警戒を強くし、呟く。
彼女が伊達や酔狂でそんな事を言っているわけではないのは、今対峙している忍達が一番理解できている。自分たちとは根本的な所から違う、何をしでかすか分からない、まさに悪魔的な雰囲気を少女は身に纏っているのだから。
思い返すのは、初めてアプリを見た時の事。
【悪魔召喚アプリ】と名付けられたアプリケーションを見たときは、一体何の冗談かと思った。未来から来たかのような技術で作られたかのような携帯電話とおぼしき機械にインストールされている、穏やかではない名前のアプリ。
想像してた未来って大分暗いみたいねぇ。と苦笑しながら過去の自分が、如何に愚かだったか、忍は今になって事態を軽く考えていた自分の事を後悔していた。
「そう、悪魔。超古代から現代に至るまで、古今東西に伝えられている神話、伝説、伝承から噂話まで。その中で語られている神も天使も、勿論人間に害を及ぼす悪魔も、みんなひっくるめた超常の存在。それが私であり、私たち“悪魔”。」
忍の呟きが聞えたのか、そういうと悪魔?――リリムは口角を釣り上げ、妖艶な笑みを浮かべる。美しい薔薇には棘があるとはよく言ったものだ。何も知らなければ同性であろうと魅了していただろう大輪の花のような笑みも、相手の素性を知った今では警戒すべきものにしか見えない。
「お、おねぇちゃん」
忍の隣にいたすずかが姉の服の裾を握り、不安に揺れた声をあげる。
幼いとはいえ、感覚の鋭い“夜の一族”である妹でも、この悪魔から発せられる雰囲気から彼女が人外の者だと言うことが分かったのだろう。
だから自分たちよりも圧倒的な力を持つ強者のみが纏える雰囲気に妹はあてられたのだと忍は考える。まだ幼く、気立てが優しい妹にはとてもではないがこの空気には耐えられるものではないはずだ。
「ね、ねぇ。この【悪魔召喚プログラム】って何? どうして、あなたはそれに従っているの? まさか、あなたのいた所はこんなものが必要な世界だっていうんじゃ……」
忍は会話を試みるため、まずは彼女に質問をしてみた。どの道自分たちが力で彼女に勝てるとは到底思えないし、目の前の脅威に対処するには端からこれしかなかった。
それに、今は相手の雰囲気に圧倒されているが、会話が通じる相手であればすずかも幾分か安心するかもしれない。
だかしかし、
「ねぇ、ニンゲン」
バチッ、と退屈そうな声と共に彼女の人差し指から電気が生じた。
たったの一言と、その行為だけで忍は質問をやめせられた。改めて強者は彼女で、自分は弱者だと認めざるを得なかった。一瞬で、会話の主導権が変わる。
「さっきから私ばっかり質問いっぱいされてるんですけ
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