最終話 戦いが終わってその十
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「阪神は」
「阪神が優勝する為にはっちゃね」
「そうしたことも乗り越えて」
「勝たないと駄目だっちゃ」
「そうなのよね」
「さもないとっちゃ」
ラムはさらに言った。
「甲子園で胴上げはないっちゃ」
「日本一いえ世界一の球場で」
「そうっちゃ」
まさにというのだ。
「連覇もないっちゃ」
「連続日本一ね」
「それも何年もしたいっちゃね」
「これまで連覇がなかったけれど」
「それを変えるっちゃ」
これからはというのだ。
「これからはっちゃ」
「期待してるからな」
竜之介は両手を拳にしてテレビ画面に叫んだ、試合は終わっていてインタヴュー等も終わろうとしている。
「今日負けてもな」
「明日よね」
「そうだ、明日だよ」
竜之介はテレビを観たまま鳳に叫んだ。
「明日勝つんだよ」
「今日負けてもね」
「今日の負けを糧にしやがれ」
絶対にというのだ。
「もうな」
「負けてもね」
「得られるものがあるからな」
「しかも今はオープン戦だし」
「幾ら負けてもいいんだよ」
「負けて負けてね」
「そこから学びやがれ」
阪神に言うのだった。
「絶対にな」
「今年の優勝の為にね」
「そして連覇の為にな」
「今は負けていいわね」
「俺はその時の為にな」
ここでだ、竜之介は。
阪神のユニフォームの上を出してそれを羽織ってだ、強い声で言った。
「このユニフォーム勝ったんだよ」
「二十二番ね」
「藤川監督の背番号だろ」
「現役時代のね」
「優勝したらな」
その時はというのだ。
「これ着てクライマックス応援するぜ」
「じゃあ私もよ」
鳳は十六番を出して言った。
「これを着るわ」
「岡田さんだな」
「そうよ」
まさにというのだ。
「このユニフォーム着てね」
「応援するな」
「優勝したらね」
「皆さんそれぞれ出されましたね」
校長は自分も出しつつ述べた、見ればそこにいる全員が出している。
「阪神のユニフォームを」
「はい、こうして」
温泉マークが応えた。
「出しました」
「どれもよいユニフォームです」
校長は真剣な顔で述べた。
「そしてよい番号です」
「どの背番号もですね」
スズキ先生も言ってきた、この人は三十番である。
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