第二章
[8]前話
様々な色の桜の木を生み出した、そのうえで道に並べてみると。
「こんな桜があるのか」
「桜といえばまさに桜色だったが」
「赤やピンクもあって」
「紫も青も黄色もある」
「品種改良で生み出したらしいが」
「こんなことも出来るのね」
「こんな桜もあるんだな」
まずは誰もが驚いた、そしてだった。
やがてこれはいいか悪いか、そんな話になった。
「面白いな」
「こうした桜もあっていいでしょ」
「桜が桜色だって誰が決めたんだ」
「これも進歩だ」
「新たな発想だ」
こうした意見もあればだ。
「自然の摂理を乱すな」
「紙が定めた自然を破壊するな」
「遺伝子操作反対」
「伝統ある桜の色を護れ」
「桜色の本来の桜をなくすな」
反対意見も出た、そして様々な意見が出たが。
やがてそのままの本来の桜色の桜も残ることがわかって話は落ち着いた、それぞれの色の桜も植えられてだった。
新たに生まれたそうした桜の愛好家達に愛される様になった、それで土方は言った。
「ああした議論になるのもだ」
「想定されていましたね」
「そうだった、ああした議論もあってだ」
斎藤にそれでと話した。
「世の中は動く」
「前にも進みますね」
「そうだ、賛成と反対でな」
「議論があって」
「動く、そして花は好きな者は好きになるからな」
「否定出来ないですね」
「本来の花が残るなら」
それならというのだ。
「よしとなる」
「そうなりますね」
「だからな」
それでというのだ。
「これからは色々な色の桜達もだ」
「咲き誇りますね」
「春にはな、ただ」
ここで土方は微妙な顔になって言った。
「桜は咲いてすぐに散るな」
「咲いている期間は短いですね」
「もっと長く咲いて欲しいな」
「そうですね、では今度は」
「もっと長く咲いてくれる様にな」
「品種改良しますか」
「そうするか、しかし色は変えられても」
花のそれはというのだ。
「咲いている時間はな」
「中々変えられないですか」
「そうかもな、だがな」
それでもとだ、土方は言った。
「やってみるか」
「挑戦ですね」
「出来ない、駄目だじゃ何も変わらない」
全くというのだ。
「だからな」
「桜の花が咲いている期間もですね」
「長くなる様にな」
「調べて考えていきますか」
「そうしよう」
「それでは」
斎藤は土方の言葉に頷いた、そうしてだった。
二人は今度はそちらのことに取り掛かった、そして桜の花が咲いている期間が長い品種も生まれた。こちらは色より苦労したが出来た。そしてまた議論となったが落ち着いた。二人はそれでよしとした。
色桜 完
2024・12・11
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ