第一章
[2]次話
色桜
日本の植物学者である土方満は自身が務めている研究所において助手の斎藤誠実に対してこんなことを言った。白髪をセットしていて面長できりっとした顔立ちで背は一八〇近い。斎藤は織田加也な顔立ちで茶髪の青年で背は土方と同じ位で面長で痩せている。
「桜の花びらは何色かね」
「そのまま桜色ですよね」
斎藤はこう返した。
「もうそれは」
「そうだな、だがそれは絶対のものか」
土方は斎藤にさらに問うた。
「果たして」
「桜の花びらの色はあの色だから桜色ですよね」
「定説か」
「そうじゃないですか?」
「ではその定説は絶対か」
「絶対なんてないですよ」
斎藤は土方が今出した言葉を否定した。
「それは」
「そうだな、だからな」
「それで、ですか」
「その定説を覆そう」
「といいますと」
「桜の色素を変える」
それをというのだ。
「幹、根からのそれをな」
「花が桜になるそれをですか」
「そうだ、それで朝顔や紫陽花の様にしてみよぷ」
「ああした色の桜ですか」
「青や紫のな」
「水色や赤やもっと濃いピンクの」
「それに薔薇やチューリップの様な」
土方は話を続けた。
「そうした花の色にな」
「していきますか」
「どうだろうか」
「そうですね」
一呼吸置いてだ、斎藤は土方に答えた。
「それもまたです」
「いいな」
「青い薔薇やチューリップも生み出されていますし」
「それならな」
「桜もです」
この花もというのだ。
「やってみましょう」
「よくこうした時遺伝子操作を言ってだ」
「反対する人がいますが」
「この研究所は違う考えだ」
「遺伝子操作をしても」
「それが種の発展や維持になるならな」
そうであるならというのだ。
「いいという考えだ」
「左様ですね」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「私はこれからだ」
「色々な色の桜をですね」
「生み出してみよう」
「では私も」
「手伝ってくれるか」
「はい」
斎藤は笑顔で答えた、そうしてだった。
二人で桜の遺伝子を操作することも行い花の色を桜色から他の色に変えていった。まずは色を濃くしてだ。
ピンクや赤にしそこから赤紫、紫、青紫にしていき。
青、水色それに黄色にしていった。そうして徐々に色が変わる種類も生み出してだ。
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