第二章
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「だから真面目に誠実によ」
「やってるのか」
「そうだっていうのよ」
「そうよ、あと今日の晩ご飯どう?」
両親にその出来を尋ねた。
「いい?」
「ああ、今日も安売りや半額のものでか」
「栄養バランス考えて作ってくれたのね」
「メニューの組み合わせもね、しっかり食べて」
両親に言うのだった。
「ずっと健康でいてね、私も気を付けてるし」
「悪いな、いつも」
「ちゃんと作ってくれるし」
「お料理好きだし。それに健康第一だからね」
いいとだ、愛も食べつつ言った。兎角彼女は本家に取り入る為に動いていた。
すると本家からだ、会社でこう言われた。
「今度うちの子と会ってくれないか?」
「友久とね」
実は昔から顔馴染みでよくしてもらっている本家の当主とその奥さんから直接声をかけられた、友久は二人の一番上の子で本家の跡継ぎだ。
愛はこの話が来た時狙い通りと内心ニヤリとなった、そして家で両親に話した。
「いよいよよ」
「声がかかったんだな」
「本家さんから」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「今度お見合いするかもね」
「お見合いか」
「友久ちゃんと」
「あの人とね、二つ上ででいつも会ってるけれど」
それこそお互い子供の頃からだ。
「何でもないわよ、確かにいい人で真面目で誠実だけれど」
「お前の敵じゃない」
「言いなりに出来るっていうのね」
「そうよ、だから奥さんとして本家を合法的に乗っ取って」
そうしてというのだ。
「お金持ちになって地位もよ」
「手にしてか」
「政治家にもなるのね」
「そうなるわ、お見合い成功させるわ」
こう言ってこれ以上はないまでに猫を被り上等の着物もわざわざ用意してだった、そのうえでお見合いに挑み。
お見合いも成功させた、そして和風の結婚式で白無垢を着つつだ。
内心笑顔でだ、いよいよ富と権力を手にする時が来たと思ったが。
本家の人達は知っているつもりだった、だが。
自分が知っているよりずっといい人達であり夫の友久もだった、よく見ると面長で優しい感じの端正な顔立ちであり黒髪はセットしていて奇麗であり。
すらりとした長身でただ真面目で誠実なだけでなく穏やかで優しかった。それで常に彼女を尊重してくれてだ。
優しくしてくれたのでだ、一年も経つとだった。
「もういいかな」
「いい?」
「いいっていうと?」
「いや、本家の人達とてもいい人達だから」
実家に里帰りをした時に両親に話した。
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