第四章
[8]前話
「それでね」
「そうよね、それじゃあね」
「離れてよかったのね」
「ええ」
そうだというのだ。
「本当にね、戻りたいかしら」
「そんな詐欺とか内部対立とかね」
乃理子は美里に話した、今は美里の部屋で話している。
「嫌だし」
「セクハラとかモラハラもでしょ」
「ええ」
美里にまさにと答えた。
「本当にね」
「だったらね」
「ええ、もうね」
「戻らないわ」
「そうするわね」
「いい場所と思っていたわ」
乃理子は心から言った。
「楽園だって」
「けれどその楽園はね」
「違ったみたいね、だからね」
それでというのだ。
「これからはね」
「もう戻らないわね」
「ええ」
そうするというのだ。
「私もね」
「そうしたらいいわ、楽園と思った場所も」
「実は違う」
「そうしたこともあってね」
「実際にそうだったらね」
「だったらね」
それならというのだ。
「もうね」
「戻らないことね」
「そうよ、それで今の場所でね」
「暮らせばいいわね」
「今は幸せでしょ」
美里は乃理子に問うた。
「そうでしょ」
「凄くね」
「そう思うならね」
それならというのだ。
「今の場所でやっていったらいいわ」
「そうするわ、それに実は今会社の先輩とね」
「お付き合いしてるの」
「そうなの、結婚もね」
それもというのだ。
「考えているし」
「いいことね、もっと幸せになってね」
「そうなる様にするわ」
乃理子は美里の言葉に笑顔で応えた、そうしてだった。
美里が出したワインとチーズそれにソーセージを楽しんだ、そうしたものも口にして幸せを感じた。
結局乃理子は教団に戻らなかった、家の仏教の宗派の方に入り仕事を続け結婚もした。美里とも付き合いを続け幸せだった。今いる場所が楽園と考えて。
失われたユートピア 完
2025・1・14
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