第二章
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「毎日教団のことを思って」
「それだけで幸せだったのね」
「教えも施設もね」
「全部よく」
「本当に楽園なのよ」
まさにというのだ。
「あの教団は」
「そう思ってもすぐに戻れないでしょ」
美里はどうしてもという乃理子に冷静な顔と声で述べた。
「教団には」
「ええ、それはね」
乃理子もそれはと答えた。
「追い出されてすぐで周りからも冷めた目でね」
「見られてるでしょ」
「何かしたと思われて」
「そう思うのね」
「ええ、これまで親しくさせてもらった人達が」
教団の中のというのだ。
「何かしたって思って」
「冷たい目で見ていたのね」
「そうだったわ、それで追い出されても」
「誰も庇わなかったのね」
「とてもいい人達なのね」
「誤解されていると思ってそんな状況なら」
それならというのだ。
「暫く時間置くことよ」
「今すぐでなくて」
「そうよ」
まさなにというのだ。
「戻れないし今は待つことよ。それに」
「それに?」
「外から見てもいいでしょ」
乃理子にこうも言った。
「そうしてもね」
「教団を外から見るの」
「そう、そうしてもね」
「いいのね」
「少なくとも今は戻れないし」
「待って外から見る」
「そうしたらいいわ」
こう言うのだった。
「今はね」
「そうね」
美里とは高校時代からの付き合いで誠実で信頼出来る人間だとわかっている、だからここは彼女の言葉を聞くことにした。
「それじゃあ」
「待って見てね」
「そうするわ」
美里の言葉に頷いた、そしてだった。
教団の教理の勉強は続けつつ待った、家で家族と暮らし仕事も頑張った。ここで乃理子は美里に気付いたことを話した。
「お父さんお母さんは元気でお仕事もあって」
「いいわね」
「どちらもいい環境だし」
「乃理子の会社元々ホワイトだしね」
「ええ、美里の方もね」
「お互い八条グループ関連の会社でね」
「あのグループはホワイトだから」
そうした経営の在り方でというのだ。
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