影の男
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な」
ふと耳をすます。その時彼の脳裏にある事が煌いた。
(・・・・・・そうか!)
この辺りにはラグビー、サッカー場やプールの他に野球場、テニスコートとスポーツの施設が充実している。今日は何処も使用され人がいる。だが陸上競技場にだけはいない。そこならば爆弾を仕掛ける事も容易な筈である。
「ルリ子さん、陸上競技場だ」
「えっ・・・・・・!?」
本郷の咄嗟の言葉にルリ子は面喰らった。彼のこうした発言や行動はいつもの事だがそれでも驚かされる。
競技場の中に入った。やはり人はおらずがらんとしている。
「爆弾はここにある筈だ」
本郷の言葉に従い二人は捜しはじめた。暫くしてルリ子が観客席から何か黒くて四角いものを発見した。
「猛さん、これ」
間違いなかった。そこにはデジタル時計まであった。
「よし、これ位ならすぐに解除出来るな」
本郷はすぐに解除に取り掛かった。そして爆弾を取り外した。
「これもう心配は無い。信管も時限装置も取り外したぞ」
「ええ、後はグラバー園ね」
二人が笑い合ったその時後ろの、グラウンドの方から声がしてきた。
「見事だ。流石はライダー達のリーダーを務めるだけはある」
「その声はっ!」
二人は振り向いた。そこには黒い神父がいた。
「カメレオロイド・・・・・・」
「言った筈だ、我々がいると」
胸の逆十字をかざした。すると地の底から戦闘員達が出て来た。
「夕刻までの時間、そう簡単には過ぎさせん。せいぜいあがくがいい」
彼はそう言うと姿をグラウンドの中に消していった。
「クッ、去ったか・・・・・・・・・」
この時本郷は致命的な判断ミスえお犯していた。それに気付いた時は既に遅かった。
「イィーーーーッ!」
戦闘員達が向かって来る。本郷とルリ子はそれを迎え撃つ。
一刻も早く彼等を倒そうとする本郷達に対し戦闘員達は間合いを開きナイフを投げ攻撃するだけだ。明らかに時間を浪費するよう仕向けている。
「まずい、このままでは」
本郷が焦りだす。それを察したルリ子が懐から何かを抜いた。
それは拳銃だった。素早い動きで戦闘員の胸を撃ち抜く。
「グギィッ」
胸を撃たれた戦闘員が苦悶の声をあげ倒れる。ルリ子は次々と発砲する。
戦闘員達は次々と倒れる。見事な腕前だ。
「ここは私に任せて。猛さんはグラバー園に」
「う、うむ」
本郷はその言葉に従い急ごうとする。だがその時だった。
「きゃっ」
何かがルリ子の腕を掴んだ。そして拳銃を奪う。
「見事な腕前だ。女にしておくのは勿体無い」
不意に声がした。カメレオロイドの声だった。
「ルリ子さんっ!」
本郷が駆け寄ろうとする。だが声は言った。
「動くな。それ以上動けば女
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