影の男
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ンリ、いやカメレオロイドは端正な白い顔に冷酷な笑みを浮かべて言った。
「何っ!?」
本郷はその言葉に反応した。
「貴様はここで死ぬからだ。その為に私はここへ貴様を誘き出したのだからな」
舌を出す。それは人のものではなくぬめった蛙のそれに似た長い舌だった。
「せめてこの聖堂で死にすぐに神の前に行くがいい」
その言葉と共に二人を取り囲んでいた戦闘員達が動きだした。
「ギィッ」
一斉に本郷とルリ子へ向けて襲い掛かる。その手にはスピアがある。
「やらせんっ」
本郷はまず一人の戦闘員の手を打った。そっして落としたスピアを奪った。
それをルリ子に手渡す。ルリ子はそれで戦闘員達を次々と倒す。
本郷は戦闘員達をその手刀で薙ぎ払いながらカメレオロイドへ向かう。彼はそれに対して冷酷な笑みで答えていた。
「喰らえっ!」
本郷が拳を胸に打ちつける。だがそれは彼の胸を透き通った。
「何っ!?」
「フフフ、これは私の幻影だ」
彼は笑いながら言った。
「ただ貴様を消すだけでは面白くない。戦いは神聖な行いなのだからな」
「言うなっ、戦いが神聖だとっ!」
本郷はカメレオロイドの幻影を睨みつけて言った。
「ここで貴様とそれについて話すつもりは無いただこちらのこれからの我々の行動について教えてやろう」
カメレオロイドはその冷酷な笑みをたたえたまま言葉を続ける。
「我々はこの長崎の二つの場所に爆弾を仕掛けておいた。戦いをより神聖なものとする為にな」
「なっ!」
それには本郷もルリ子も驚かずにはいられなかった。
「場所も言おう。平和公園とグラバー園だ。どうだ、分かり易い場所だろう」
カメレオロイドは二人を嘲笑する様に言った。
「今日の夕刻までにこの二つの爆弾は爆発する。それにより爆弾の半径一キロが粉々に吹き飛ぶ」
「今日の夕刻・・・・・・」
「若し貴様がそれを止めたければこの二つの場所に来い。そして爆弾の時限装置を壊すのだな」
「貴様に言われるまでもない、こちらからそうしてやる!」
「もっともそれが出来るのならばの話だがな」
「何っ!?」
本郷はその言葉に顔をしかめた。
「この二つの場所には我がバダンの戦士達がいる。無論この私もな」
カメレオロイドの眼が変化した。緑の人のものから虹の様な彩りの、カメレオンの眼になった。
「その者達に勝たない限り爆弾を壊す事は出来ん。そう、貴様は爆弾を取り外す事は決して出来ないのだ」
「戯言を、必ずや貴様のその言葉、後悔させてやる!」
「残念だな、私はその言葉の意味を知らない。全くな」
そう言うとカメレオロイドの幻影はその姿を薄めていった。
「貴様の最後、楽しみにしている。自らの力が及ばず街が燃える様を見
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