第一章
[2]次話
軍事裁判
極東軍事裁判で東条英機達は死刑となった、そして多くの戦犯となった者達が裁かれ東条以外のも多くの者が死刑になった。
この裁判についてだ、ボストンで高校に通っているリチャード=バーグレーくすんだ茶色の髪の毛で緑の目を持つ面長で背が高く引き締まった体格の彼は首を傾げさせて言った。
「あの裁判の何が問題なんだ?」
「何でもな」
クラスメイトの浅黒い肌に縮れた長い髪の毛に黒い目を持つ彫のある顔の中肉中背のカルロス=コインブラが答えた。
「事後立法らしいな」
「何だそれ」
「あれだよ」
コインブラはバーグレーに話した。
「例えばある場所に駐車違反定めるだろ」
「法律でか」
「そうしたら以後そこで車停めたら罰金になるな」
「法律は守らないとな」
「けれど定められる前にな」
その場所での駐車違反がというのだ。
「停めた人も罰金になるんだよ」
「それはおかしいな」
バーグレーは眉を顰めさせて答えた。
「幾ら何でも」
「そしてそれがな」
「極東軍事裁判か」
「そうなんだよ」
「戦犯だろ」
東条達はというのだ。
「それでもか」
「だからその戦犯にする法律がな」
「事後立法だからか」
「それでだよ」
その為にというのだ。
「あの裁判もっと言えばな」
「まだあるのか」
「ああ、それはな」
それはというと。
「ニュルンベルグ裁判あったな」
「ナチス=ドイツを裁いたな」
「あの裁判自体もな」
こちらもというのだ。
「事後立法だしな」
「だから駄目か」
「ああ、確かにナチスはとんでもない悪事をしたよ」
コインブラも言うことだった。
「大勢の人を虐殺して拷問してな」
「言論弾圧に収容所にな」
「とんでもない悪事を散々したけれどな」
「それでもニュルンベルグ裁判もか」
「そうだよ」
こちらもというのだ。
「事後立法でな」
「アウトなんだな」
「そうなるんだよ」
「そうなんだな」
「不遡及の原則ってあってな」
コインブラはこちらの話もした。
「法律は施行されるまでのことは遡って適用されないんだよ」
「絶対にか」
「若しそうしたらな」
遡及すればというのだ。
「独裁者がやりたい放題やるからな」
「自分に都合のいい法律を定めてか」
「それで遡って自分の敵を攻撃するからな」
「やったらいけないんだな」
「本当にそれをやるとな」
事後立法をというのだ。
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