第二章
[8]前話
「そう言っていいわね」
「白い時も黄色い時もあるけれど」
「赤い時もね」
「白い時は優しくて黄色い時は明るくて」
月の色がそうである時はだ。
「赤い時は妖しくて」
「それで今みたいに青い時は」
「奇麗ね」
それだと思った。
「そうね」
「そうだね、その奇麗な月をね」
「今一緒に見ているわね、それで今言ったけれど」
月から夫に顔を向けて微笑んで言った。
「奇麗ねって言ったわね」
「青い月がね」
「青い満月が。月が奇麗っていうのは」
「アイラブユーだね」
夫は笑って私に言ってきた。
「そうだね」
「そう、アイラブユーよ」
私も笑って答えた。
「その言葉の意味は」
「そうだね」
「もうプロポーズを受けて結婚しているけれど」
夫からのそれをとだ。
「言っていいかしら」
「一度でいいって決まってないよね」
夫は私に笑ったまま答えてくれた。
「何度でもいいよ」
「漱石さんもそんなことは言ってないわね」
「月が奇麗ですねはアイラブユーとは言ったけれどね」
「そうだったわね」
「それならいいと思うよ」
「そうね、じゃあ言うわね」
私はあらためてだ、月その青い満月に顔を戻して言った。
「月が奇麗ね」
「とてもね」
夫も答えてくれた、そしてだった。
そっと私の傍に来てくれた、そのうえで二人で窓の向こうの月を見た。青い満月はまるで別の世界からこの世界に来たみたいに不思議な奇麗さでそこにあった。
月は青く 完
2024・12・25
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