第一章
[2]次話
月は青く
月が奇麗ですね、夏目漱石が生み出してから今に至る告白の言葉だ。私はその言葉ではなく別の言葉でプロポーズをされて受けた。
そうして結婚したがそれからは普通の夫婦の生活を送っている、だが今夜は普段と違っていた。
夫婦で暮らしているマンションの窓から夜空を見てだ、私は夫に言った。
「青い月ね」
「今夜はそうだね」
夫もその月を見て言った。
「随分と」
「月もその日によって変わるわね」
このことを実感しながら言った。
「形も色も」
「それが面白いんだよね」
「ええ、夜は月で」
それがある時間でだ。
「それでね」
「形も色も変わるね」
「その日によってね。今日は満月で」
それでだ。
「青いわ」
「青い満月だね」
「何ていうのかしら」
私はその青い満月を見つつ言った。
「幻想的というか」
「いい月かな」
「そう言うべきかしら」
「そうじゃないかな」
夫は私の言葉に微笑んで言った。
「やっぱり」
「そうよね、こうした月はね」
青い満月はだ。
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