白き極光編
第1章
フィスト・オブ・ザ・コルツマウンテン
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いた。
「なぁ、コールドホワイト…あー、いちいち長ったらしいな。コルディで良いか?」
「…好きにしろ」
ニンジャネームは神聖な物であり、間違える事はスゴイ・シツレイだ。
だが愛称となると話は別であり、実際ニンジャ同士で愛称で呼び合っていた前例もある。
コールドホワイトは、あくまで利用し合う相手にそこまで許すべきか一瞬躊躇ったが了承した。
「本部にはリターナーの指導者であるバナン様がいる。前に話してた事は直接交渉すると良い」
言わずもがな、帝国との戦いが終わった後の話である。
ティナの持つ魔導の力をバックに、自身の独立国を築くというものだ。
コールドホワイトはティナを一瞥し、気付いたティナは頷いた。
本人は了承済みなのだ。
「…今更だが本当に良いのかティナ。君の力を利用しようという点では帝国と同じだぞ」
エドガーが顔をしかめる。
「良いの。助けられた事には違いないし…それになんとなくだけど…私、この人がそんなに悪い人に思えないから」
「…舐めるな小娘。俺はニンジャだ。これまで多くのモータルの命を愉しんで奪って来た邪悪そのものと言って良い男だ。勝手に善人のように見るな」
真っ直ぐなティナの視線に耐えられなくなってか、コールドホワイトはスノーモービルを押して坂道を下り始めた。
あちらで死に、そしてこの世界に来て、ニンジャソウルが大人しくなってから何かおかしい。
以前のように気に入らぬ相手に怒鳴る事も、殴り付ける事も躊躇いがちだ。
やはり自分はニンジャとしてどうにかなってしまったのだろう。
そんな自分の変化への苛立ちもあり、今はあまり他人と顔を合わせたくなかったのだ。
「なんだ、照れるなんて人間らしいとこもあるじゃないか」
ロックはニヤニヤ笑って後に続き、ティナ達も顔を見合わせて軽く笑ってから山を下りて行く。
帝国への反攻作戦開始の時は刻々と迫っていた。
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