白き極光編
第1章
フィスト・オブ・ザ・コルツマウンテン
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スの膝ほどの高さまで腰を落とす。
「…見えた!!」
バルガスの腹部へ、僅か一瞬の間に10発近い拳打が叩き込まれた!
「うが、ががががっっ!?」
バルガスが仰け反り、マッシュが上半身を捻る!
「必殺…爆裂拳! ハイヤァァァーーーッッッ!!!」
渾身の1発がバルガスの胸に突き刺さる!
単純な打撃は勿論だが、直後、連続で打ち込まれた衝撃が身体の内側を乱反射した!!
「ががぁぁーーーっっ!? マ、マッシュ…す、既にその技を…!?」
胸を押さえたバルガスは目を見開き後退る。
マッシュは拳を打った姿勢のまま、目を閉じた。
「…あなたのその驕りさえ無ければ…師は…」
「……!!」
バルガスは天を仰ぐ。
何かを掴み取るかのように腕を伸ばし…後ろへ1歩…2歩…崖縁に立った彼の手は何も掴めぬまま…奈落へと消えて行った。
「…さらば。兄弟子」
「マッシュ」
連風燕略拳の突風で押し戻されていたエドガー達が合流したのは、バルガスの消えた崖を沈痛な面持ちで見下ろしていたマッシュが、決意新たに立ち上がった時だった。
「兄貴」
エドガーはマッシュの隣に立って奈落へ視線を落とす。
バルガスの姿は見えない。
「…デカくなったな」
「兄貴こそな」
お互い、深くを聞こうとはしなかったし、話そうとはしなかった。
相手の選び、進んだ道に必要以上に深入りする気は無いのだ。
「兄貴達はどうしてここに?」
「リターナー本部へ向かうところだ」
「リターナー…って事は…ついに帝国に立ち向かうんだな。俺はさ、フィガロはいつまで帝国の言いなりなんだとヤキモキしてたんだぜ」
マッシュは開いた左手に右拳を打ち合わせ、山間に乾いた音を響かせる。
「ああ。もうじいや達の顔色を窺う事も無い。フィガロは新しい1歩を踏み出さなきゃならない」
エドガーが空を見上げた。
その視線が行き先は、どのような未来への道程となるのだろうか。
「俺の技もお役に立てるかい?」
「来てくれるか、マッシュ」
「城を飛び出した俺が言うのもなんだけど、俺は今でもマッシュ・フィガロのつもりなんだ。生まれ育ったフィガロの、そして兄貴の力になりたくて俺はずっと修行を続けて来たんだ」
マッシュの決意表明を聞いたエドガーは頷き、右手を胸の高さで掲げた。
それを見たマッシュはニヤリと笑い、自身も同じように右手を広げ、エドガーの右手とガッチリ組み合わせた。
「ここを道なりに下りていけばリターナー本部まではすぐだ」
マッシュを仲間に加え、短い洞窟を抜けるとそこはもう下り坂。
ロックが坂道を指差した後、コールドホワイトを振り向
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