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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
脱出
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う言えばその姿は仮面ライダー達に実によく似ている。
 (それも当然か。仮面ライダーを研究して開発、改造されたのだからな)
 「そう、君は仮面ライダー達と共に戦うべき人間なのかも知れない」
 「俺がライダーと・・・・・・。敵であるライダー達と・・・・・・」
 「そうだ。さしずめ君は十人目のライダーか。仮面ライダーゼクロスだ」
 「仮面ライダーゼクロス・・・・・・」
 「そう、君は今から仮面ライダーゼクロスだ。正義の為に戦う十番目の光なのだ」
 「光・・・・・・。俺が・・・・・・」
 感情も記憶も無い。その心は深い闇の中に囚われている。その彼が光なのだ。
 (希望は様々な災厄の中に埋もれているもの。彼はバダンという災厄の中に埋もれていた希望なのだ)
 今その希望が放たれた。彼は確信した。
 「ゼクロス、いや村雨君、すぐにバダンを出るんだ。そしてバダンと戦え」
 博士は意を決して言った。これこそ彼が最も言いたかった事であった。
 「・・・・・・博士はどうする?」
 「私?私は・・・・・・」
 自分は罪を犯し過ぎた。最早生きてはいられないと考えていた。その罪を自らで決するつもりだった。
 「博士も来てくれ。悪と戦うには多くの力が必要なのだろう」
 その言葉は何気無い戦力分析から出る言葉であった。だがそれが博士の、そして世界の命運を大きく左右する言葉になったのである。
 「しかし私は・・・・・・」 
 「俺に過去は無い。これから思い出す過去がどんなものか俺は知らない。それも教えて欲しい。俺には博士の力が必要だ」
 「村雨君・・・・・・・・・」
 彼は思い出していた。親友の志度博士もネオショッカーに囚われていた。そして彼を救った青年筑波洋の命を助ける為彼を改造人間、スカイライダーにした。そして彼に救われネオショッカーを脱出した。それ以後はスカイライダーと共にネオショッカーと戦い続けた。
 (罪は償わなくてはならない、そう言っていたか)
 友の言葉を思い出す。そして今は自分が償う時だと思った。
 「解かった。行こう。私も君と共に行こう。そしてバダンと戦おう」
 「よし」
 二人は頷き合った。そして席を立つ。
 「まずはこの基地を脱出するんだ。道は私が教えよう」
 二人は歩きはじめた。
 「そしてどうやって脱出するのだ」
 ゼクロス、いや村雨は横にいる博士を見下ろして言った。
 「格納庫に君の愛車を置いてある。ヘルダイバー、これから君を乗せ戦場を駆け巡る君の心強い相棒だ」
 「俺の相棒・・・・・・・・・」
 それがどういうものなのか彼には解からない。ただ彼は一人でない事だけがわかった。
 「それでこの基地を出る。それからでないと全ては始まらない」
 「全てが・・・・・・・・・」
 そう、全ての運命の歯車
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