最終話 戦いが終わってその六
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「夏場以降も戦える体力と戦力ね」
「はい、せめて疲れを取ることですね」
おユキが応えた。
「阪神に必要なのは」
「その二つよね」
「ですから」
それでというのだ。
「練習を行って」
「体力付けて」
「戦力も備えることです」
「その二つを揃えることね」
「阪神にとって必要なものは」
あかねにまさにと話した。
「左様です」
「それじゃあな」
竜之介は真面目に言った。
「フリーエージェントでいい選手を獲得してな」
「それと共によ」
なびきは竜之介に言った。
「選手を育てることよ」
「地獄のロードがあっても戦える選手だな」
「体力があってね」
それでというのだ。
「ずっと成績が落ちない」
「そんな人が必要だな」
「練習あるのみよ」
「そうだな、阪神の人達もカープみたいに練習して欲しいな」
「いや、カープはね」
なびきはそのチームについてはどうにもという顔で述べた。
「巨人以上に負けてるでしょ」
「阪神はな」
「だからね」
「出すとな」
「あまりいい気しないでしょ」
「ああ」
なびきのその言葉に頷いた。
「言われてみるとな」
「嫌いじゃなくてもね」
「やたら負けてるからな」
「それも毎年ね」
「じゃあ出さないでおくか」
「あとロッテもね」
「そうだよな」
このチームもだった。
「あそこも」
「忘れられないわよね」
「あのシリーズはな」
「あんまり過ぎて」
「二〇〇五年はそれまではよかっただ」
ムースも心から思った。
「ペナント優勝までは」
「シリーズも勝てると思ったぜ」
良牙もその時のことを思い出していた。
「絶対にな」
「あの時の阪神は強かった」
九能はしみじみとした口調で言った。
「歴代の中でもな」
「打線も先発投手陣もよかったわね」
りんも知っていることだった。
「それで特にね」
「JFKね」
鳳が続いた。
「あの中継ぎ抑えね」
「最強でしたね」
「その最強の布陣でもよ」
「あの通りでしたね」
「惨敗よ」
鳳は苦々しい顔で右手を拳にして震わせた、見れば誰もがあの時のことを思い出してそれぞれマイナスの表情になっている。
「忘れられない位の」
「三十三対四ですね」
「あれはないわ」
ラムの父も言うことだった。
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