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四月はよくても
第二章

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「采配も確かだし」
「それもわからないぞ」
「四月の時点だと」
「これから長いしな」
「十月まで」
「最後に笑ってるかどうか」
「しかもな」 
 クラスメイト達は口々に言った。
「阪神最初はって多いだろ」
「いつも序盤はいいんだよ」
「ぶっちぎりで強くて」
「絶好調だけれどな」
「けれどな」
「夏からだろ」 
 この季節以降のことだというのだ。
「問題はな」
「次第に疲れが溜まってきて」
「夏の暑さもあってな」
「チームの調子が落ちるだろ」
「一年戦えないチームって結構あるだろ」
 プロ野球でもというのだ。
「戦力とか体力の問題でな」
「だから夏以降が問題だよ」
「一年戦える戦力揃えるのも大変だぞ」
「阪神いつもそれ出来てないんじゃないか?」
「そこが問題かもな」
「あと高校野球な」
 これの話も出た。
「毎年春と夏にやるけれどな」
「その夏にな」
「甲子園は何と言っても阪神の本拠地だ」
「その本拠地が高校野球で使えないんだ」
「毎年な」
「それで遠征ばかりになるだろ」
 人はこれを地獄のロードと呼ぶ、本拠地が使えず遠征ばかりとなりどうしても疲労が蓄積してしまうのだ。
「そこも問題だぞ」
「毎年のことでな」
「実際いつも阪神そこから成績落として」
「優勝出来ないだろ」
「今は交通も発達して移動が速く楽になって」
 そうしてというのだ。
「何なら大阪の京セラ使えるけれどな」
「オリックスが試合しない時に」
「あそこなら甲子園から目と鼻の先でな」
「実質本拠地と変わらないよ」
「けれど京セラが使えないなら」
「遠征になるしな」
「いやいや、そうしたハンデなんで」
 だが寿は強気で言った。
「阪神にとっては何でもないよ」
「そう言うけれどな」
「毎年だからな」
「実際阪神三十八年日本一になっていないだろ」
「こんなに離れてるチーム広島以外にあるか?」
「ないだろ」
「そう考えるとな」
 クラスメイトは強気の寿に話した。
「問題は夏以降だぞ」
「春先に調子いいのは嬉しくても」
「まだこれからだぞ」
「先は長いぞ」
「喜ぶのはまだ先じゃないか」
「弱気だな、皆」
 寿の強気は変わらない、笑っているままだった。
「きっと十月も笑顔だよ」
「そりゃ俺達も阪神ファンでな」
「そうであって欲しいけれどな」
「優勝して欲しいよ」
「日本一にも」
「そうなって欲しいよ」
 関西に暮らしている従って阪神ファンばかりなのでこう言う。
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