白き極光編
第1章
エンカウンター・ウィズ・ア・シャドウ
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フィガロ王国とガストラ帝国の同盟関係は破綻した。
元々表面的なものだったとはいえ、公然の事実として認知された影響は大きく波及するだろう。
国王エドガーと愉快な仲間達の目指すは反帝国レジスタンス、リターナーの本部。
彼らはチョコボを降りて道中の洞窟へ入ると、薄暗い道を1歩、また1歩と進んで行くのだった…。
「何書いてるんだエドガー」
手帳にペンを走らせるエドガーの手元をロックが覗き込む。
「戦後に伝記でも出版しようと思ってな」
「…おい、なんだよ愉快な仲間達って…」
「………さて、階段を降りたら出口のある階層だぞ。洞窟を出たら南の森の近くにある街がサウスフィガロだ」
「おいっ!」
食って掛かるロックと、巧みにそれをいなすエドガーの漫才の如きやり取りを尻目に、コールドホワイトは淡々とモンスターへスリケン投擲。
街で買い取ってもらう素材を集めているのだ。
ティナは彼を手伝ってモンスターへ炎魔法ファイアを放っている。
「便利なもんだな。何もデメリットは無いのか?」
ティナに頭上から襲い掛からんとした蜂モンスター、エポクスプレスの頭をスリケンでカット。
「心を集中しないといけないから、使い過ぎるとちょっと疲れちゃうの。それが欠点と言えば欠点かも」
コールドホワイトに物陰から忍び寄っていた単眼モンスター、フォーパーをファイアで処理。
当たり前だがロックとエドガーもじゃれ合っているだけではなく、合間合間にそれぞれナイフとオートボウガンで相手に近付くモンスターへ対処している。
「お、風…出口まであと少しだぞ皆」
僅かに髪を揺らした風を感じ取ったロックが、後続の3人へ声掛けした。
「サウスフィガロにはフィガロ城で製造された武器が卸されている。城を出る時はこのオートボウガンしか持ち出せなかったからな、補給しておきたいところだ。コールドホワイト、素材はどうだ」
「悪くない。ティナ=サンの魔法は援護として実際頼もしい」
手押ししているスノーモービルには、モンスターの死骸の詰まった麻袋を積んである。
エドガーは中身を改め、ブツブツと呟く。
「…少なく見積もっても3000ギルにはなるな。良いぞ」
「王様がいるのに財布の心配をしなきゃならんとは世知辛いもんだ」
コールドホワイトも袋の中を覗き込んで肩をすくめる。
「国民の血税だ。私的に持ち出す事は出来ないさ」
その後もどんな無駄も許されないとばかり、出口への僅かな時間の間にもモンスターを狩り、ようやくお天道様の下へ出た一行。
とはいえ、太陽は既に直上ではなく西への移動を始めている。
「ほら、あそこに見えるぞ。サウスフィガロだ。日も傾き始めているし、コルツ山へは
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