白き極光編
第1章
エンカウンター・ウィズ・ア・シャドウ
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しめられ、殺された屈辱感。
赤黒の死神によって首を切断された感覚が蘇り、彼は身震いした。
「…講義は終わりにしよう。寝るぞ」
コールドホワイトは壁際のベッドに横になり、身動ぎ1つせずに眠りに落ちた。
「………」
寝息を立てるティナの個室。その部屋の窓の外に、夜陰に溶ける灰色のニンジャ装束の男が、音も無く立った。
「(間違いない、この娘だ)」
帝国から提供されたターゲットのデータと外見的特徴を比較する。
実際、彼はティナを奪取するべく帝国から派遣された斥候ニンジャである。
実のところ、サーベラスと共にケフカに同行しており、その追跡はフィガロ城でのイクサの直後から行われていたのだ。
「(ようやく単独になったのだ。この機を逃す訳にはいかん)」
彼は窓へゆっくりと手を伸ばす。
そしてその手にスリケン…否、手裏剣が刺さった。
「(グワーッ!?)」
彼は悲鳴を抑えながら連続バク転でその場を離れる。
「(なんだ!? なんだコレは!?)」
手の甲に突き刺さった手裏剣に目を剥く。
そして投擲した者の姿を探し、闇の中から現れた黒装束の男を捉えた。
隠密行動に長けたシノビ・ニンジャクランのソウルを宿す自分すらも上回る隠密性とは信じられぬ!
「ド、ドーモ、フォビアです…グワーッ!?」
アイサツの為に手を合わせようとした彼の肩に手裏剣が刺さった。
「アバッ…き、貴様…アイサツ中に攻撃とはシツレイ…!」
「知らん。勝手にルールを押し付けるな」
「ア…アイエッ…!? ニ、ニンジャじゃない…? ニンジャじゃないのにニンジャ装束ナンデ…? スリケンナンデ…?」
男はフォビアの質問など耳に入ってないかのように、彼が侵入しようとしていた部屋を一瞥した。
「俺への刺客ではないようだな。まぁ良い。どうせロクな者じゃあるまい。始末しても誰も困らないだろう」
男…シャドウは緩慢な動作で背の忍者刀を抜く。
「イ、イヤーッ!」
フォビアは相手に飲まれぬよう己を奮い立たせ、シャウトと共にクナイ・ダートを生成して投擲した。
しかし、その刃は標的の額に刺さる前に飛び出した影に叩き落とされた。
犬だ! それは引き締まった体躯と鋭い眼光を持ったドーベルマンだ!
「アイエッ! ニンジャドッグ!?」
想定外の乱入者に驚愕したその刹那。
シャドウの姿がその名の如く朧に揺らめき、次の瞬間にはフォビアのワン・インチ距離に立っていた。
「アイエ…アバッ…!」
前から後ろへ、喉を忍者刀が貫いた。
鍔が触れるまでに押し込まれ、血を纏った刃が月明かりを怪しく照り返した。
「アバッ…ゴボッ…」
フォ
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