白き極光編
第1章
エンカウンター・ウィズ・ア・シャドウ
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備をそれぞれ確認する。
「それとコールドホワイト。カタナの他にミスリルソードも1振り持っておくと良い。見たところそれもだいぶガタが来ている」
「そうか…ウム」
今朝のサーベラスとのイクサの影響で、カタナの損傷も限界に近い。
「その切断に特化した剣は、ドマ王国の鍛冶屋でもないと直す事も出来ないからな」
この世界で一般的に使われる剣は重量で叩き割る西洋剣タイプが主流であり、日本刀タイプのカタナは極めて希少なのだ。
無い物ねだりをしても仕方が無い。この剣をもしもの時の代用として持っておこう。
ミヤモト・マサシ曰く『環境に文句を言う奴に晴れ舞台は一生来ない』だ。
「ポーションと毒消しも各自に分配したし、今日はそろそろ休もう。さぁさぁ、男3人は撤収だ。城の侍女から寝間着を借りて来たから、ティナはこれを使ってくれ」
ティナに個室を譲り、ロック、エドガー、コールドホワイトの3人が部屋を出て行った。
「…あんた普通に顔あったのか」
「馬鹿にしているのか」
コールドホワイトのメンポである防寒頭巾が取り払われ、揺れる白銀の短髪と、30代前半といったところの顔を見たロックが思わず呟いた。
「確かにアクマ・ニンジャクランのように、憑依したニンジャソウルの影響で異形化する者もいるが、ニンジャは基本的に元は人間なのだ。身体的特徴が劇的に変わる事はそう多いパターンではない」
「つくづく不可思議なものだな、ニンジャとは。そもそもにしてニンジャソウルというのは?」
「実のところそのメカニズムは未知の部分が多い。俺が知っているのは、古代のリアルニンジャの魂が蓄えられている場所があり、そこから出て来た物が現代の人間に憑依し、そいつをニンジャにするという事くらいだ」
元の世界におけるニンジャソウル研究の最先端を走っていたであろうリー・アラキ先生ですら、その全貌は把握しきれていなかった。
古から現代まで生きるリアルニンジャもごく僅かながら存在していたが、彼らもまた然り。
「人間に取り憑き人外へ変質させる…まるで悪霊だな」
「ま、概ね間違ってはいないだろう。ニンジャとなった者は常人を凌駕する力を得て、もはや本能めいてモータル…非ニンジャを見下し、奴らを己の欲望と衝動のまま虐げるようになる」
コールドホワイトは目を閉じて天を仰ぎ、ドサンコ・ウェイストランドの雪原で、スノーモービルを駆り人間狩りゲームを愉しんでいた己を思い出していた。
1人、また1人と殺して行き、必死の抵抗も虚しく恐怖と絶望に支配された表情となった者達を追い立てていたあの高揚感。
絶対的な格の違いを知らしめ、虫ケラのように踏みにじっていた全能感。
そして、さらなる強大な力によって今度は自分が追われ、苦
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