白き極光編
第1章
エンカウンター・ウィズ・ア・シャドウ
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肉を真っ先に酒場へ持って行った。
スリケンで頭部を一瞬にして切断して絶命させた為か、非常に状態が良かったらしく予想以上の収入となった。
「ッ!」
エドガーが店主と取引をする様を横で眺めていたコールドホワイトだったが、突如として背後からただならぬ殺伐アトモスフィア。
首をゆっくりと後ろへ向けると、そこには背に忍者刀を負った、黒装束に身を包み、僅かに青白い瞳のみを窺い知れるメンポを被った男。
傍らには付き人かボディガードのように1歩後ろを歩く大型のドーベルマンが1頭。
こちらを一瞥もせずに横を通り過ぎ、カウンターに腰を降ろして酒を注文した。
「(…ニンジャ? いや、ニンジャソウルの気配は微塵も感じない…)」
傍目にはニンジャにしか見えない男に困惑するコールドホワイトの肩を、取引を終えたエドガーが叩いた。
「待たせたな、次へ…どうした? …ああ、あの男には関わらない方が良い。あれはシャドウ。その道では有名な傭兵…というよりは殺し屋かな。金さえ積まれれば親友すら殺しかねないとまで言われる冷酷な男と聞く」
「アサシンか…辺境でダラダラ生きて来た俺にでも分かる。あの男の背中は、様々な感情を押し殺して修羅道に堕ちた奴のそれだ」
背中越しにでも漂う、その鋭く研がれた刃の如き存在感は、ニンジャである自分よりも遥かに壮絶な生涯を送って来たのであろう事が伺える。
「思うところでもあるのか?」
「…いや。ある意味では俺達ニンジャと同じ、エゴに生きる者だ…と感じただけだ。行こう」
本音ではあの男に対する好奇心、興味はある。
自分達ニンジャは、血を求めるニンジャソウルの殺戮衝動のままモータルを虐げ、殺める事を愉悦、快楽としている邪悪存在である。
だが、あの男からは殺しを愉しみとするような意志が微塵も感じ取れない。
殺す事を生業にしながら、殺しを愉しまないというのは、どういった感覚なのだろうか?
何を思ってその世界へ踏み込んだのだ?
あの男にとって、“死”とはなんなのだろう?
「(…ニンジャのくせに、こんなくだらん事を考えるとは…いよいよもって俺も壊れたか?)」
コールドホワイトは、内なるニンジャソウルの弱体化に伴い、随分と感傷的になってしまっている自分に、呆れにも似た感情を抱いた。
「テント、ポーション、毒消し…」
狩り取った素材は結果的に4000ギルにもなった。
ロック達との合流前にその資金で購入した消耗品や武器防具を、宿屋のテーブルに並べる。
「ロック用にミスリルナイフ、ティナは基本的に後衛だが、念には念を入れてバックラーを持っていてくれ。そしてブラストボイスにバイオブラスト…私の機械武器だな」
ロックとティナは、支給された装
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