暁 〜小説投稿サイト〜
ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
第1章
エンカウンター・ウィズ・ア・シャドウ
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明日出発になるかな」

 街まで続く街道のような気の利いた物は無い。
 当然、夜の帳が下りれば、遠く街の灯を除けば月明かりしか頼る物は無い。
 街の外は数多の獰猛なモンスターが闊歩する危険地帯。完全に日が落ちればたちまちそれらの餌食である。
 故にとにもかくにも街だ。日が落ちる前に街へ行かねばならぬ。

「…ロック=サン、ザイルはまだあるな?」

「ん? ああ、あるけど…おい、まさか…」

 ロックはコールドホワイトの視線を追う。
 そこに落ちているのは、魔導アーマーの残骸から剥がれ落ちたらしき装甲板。
 …人2人くらいは乗れそうな大きさの。



「「あーーーーーーっっ!!」」

 平原をサウスフィガロへ向けて走るスノーモービル。
 装甲板に乗った(乗せられた)ロックとエドガーは、モービルに繋がれたザイルを必死の形相で掴み、さながら水上スキーのように滑っている。
 ティナはといえば、後部座席に座って後方の2人を心配そうに振り返っていた。

「あいつ俺らの扱い雑じゃないかエドガー!?」

「じゃあティナを代わりにここに置くか!? レディにこんな事をやらせる気か!?」

 音を立てるほどの風に負けないよう、声を張り上げて会話する2人。
 座席に座る者とスキーをする者の選択は任せるとコールドホワイトは言ったが、当然この2人が後者に立候補した。
 正直なところ、ティナにこんな荒っぽい事をさせる訳にはいかないと2人が考えるであろうと、端から想定した上で選択を迫った気がしないでもない。

「し、しかしこれならすぐに街へ着くだろう! もう少しの辛抱だロック!」

「くっそーーーーー!! 着いたら覚えてろよあいつぅーーーーーっっ!!」

 徐々に茜色に染まり始めた空に、半ば悲鳴めいた叫び声が木霊した。



「だ、大丈夫? 2人とも…」

 街の入口でぐったりと座り込んだ2人へ、前屈みになったティナが声を掛ける。

「お、俺はまだ死ねないからな…」

「私の双肩にはフィガロが懸かってるからな…ふ…ふふっ…」

「所詮は非ニンジャか…」

 呆れたような表情のコールドホワイトへ、食って掛かる気力は今の2人には無かった。

「や、やっと落ち着いて来た…だがその甲斐あってまだ夕方か…。ロックはティナと一緒に今夜の宿の手配を。コールドホワイトは私と商人の所へ。今日の内に素材の換金を済ませてしまおう」

「良いだろう」



「ほー、リフィーバニーにムーの肉か。しかし随分と綺麗に切ったもんだ。この量にこの状態の良さなら1000ギル…いや、1300出そう。本格的な料理にもつまみにも使えるし、ムーの方は干し肉需要が高いからな」

「それで頼む」

 まずは傷みやすい
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