第一章
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幽霊が見える
ふわりは時々何も誰もいない筈の場所をじっと見る、その彼女を見て彼女の家族である国崎家の息子の洋介は母の百合子に言った。
「猫もそうだけれどな」
「今ふわりずっとお部屋の上見てるわね」
「ケージから出てな」
「それはね」
母は息子に夕食のうどんを出しつつ話した。
「小さな虫を見ている場合もあるけれど」
「人間が見えない位のな」
「その場合もあるけれど」
「やっぱりな」
「幽霊もね」
そう呼ばれる存在もというのだ。
「見えているのよ」
「そうだよな」
「犬は本当に見えるのよ」
「猫だってな」
「そう、それでね」
そうであってというのだ。
「ああしてね」
「じっと見るんだな」
「警戒してね」
「大抵はね」
百合子はさらに言った。
「幽霊っていってもね」
「怖くないな」
「色々いるから」
幽霊はというのだ。
「本当に」
「いい幽霊もいればな」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「悪霊もね」
「いるな」
「もっと言えば」
母はさらに話した。
「人間とは限らないわよ」
「ああ、他の生きものもな」
洋介はすぐに言われて頷いて言葉を返した。
「魂あるからな」
「だからね」
「普通にな」
「魂が唐だから出たら」
「幽霊になるな」
「人間と幽霊の違いは」
それはというと。
「案外変わらないのよ」
「身体があったら人間でな」
「なかったらね」
その時はというのだ。
「幽霊よ」
「そうなるな」
「生きている時に出たら生霊で」
身体からというのだ。
「死んで出たらね」
「死霊だな」
「その違いはね」
「大したことじゃないな」
「本体は魂でしょ」
「心だよな」
「それで何かで身体から出たね」
そうしたというのだ。
「幽霊があちこちにいて」
「人間のもの以外にか」
「色々な生きもののね」
「幽霊もいるか」
「あちこちにね」
「虫も魂あるよな」
「あるわよ」
実際にというのだ。
「だからね」
「虫の幽霊がふらふらしていてもか」
「犬は見えていて」
それでというのだ。
「そのうえでね」
「じっと見ているんだな」
「そうよ」
「そうなんだな」
「そう、そして」
母はさらに話した。
「大抵は別にね」
「怖くないな」
「虫の幽霊なら」
「飛んでるだけか」
「人間と関係なくね」
そうだというのだ。
「これがね」
「そうなんだな」
「幽霊で怖いのは」
そう呼ばれるのはというと。
「怨霊でしょ」
「それだな」
「もう怨霊になるとね」
それこそというのだ。
「一番怖いわよ」
「この世でな」
洋介も怨霊についてはこう述
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