白き極光編
序章
ウェルカム・トゥ・デザートキングダム
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、ここにいるのか?」
「さぁて、ね…娘は星の数ほどいるけどな」
エドガーは嫌味なケフカに負けじと、彼に考え得る限り最高に嫌味な表情で空を指差す。
「隠し立てしても良い事は無いと思うけどねぇ…ま、せいぜいフィガロが潰されないように祈ってるんだな。同盟国と言っちゃいるが、帝国がその気になれば、こんなちっぽけな国なんて一晩で焼き払えるんだからな。ヒッヒヒ…」
嫌らしい笑い声を残し、ケフカは去って行った。
「王様も大変だな」
戻ろうとしたエドガーへ、ロックが労いとも、からかいとも取れる声を掛けた。
「まったくだよ。気苦労で白髪が増えそうだ。ま、それはそれでロマンスグレーで色男になってしまうかな。…ティナは?」
ロックが身体を脇へ半歩移動させると、後ろの部屋からティナが顔を出した。
「帝国…私は帝国の兵士…」
ティナは俯いたままであったが、ロックはその両肩に手を乗せ、諭すように言葉を紡いだ。
「帝国の兵士“だった”。帝国に操られたウソの姿だ。でも今は違う」
「…よく分からない…どうして良いか…」
「これからは自分の意志を持てって事さ。今はあまり深く考えない事。道はいずれ見えて来るから」
意志と実感の籠ったロックの言葉にティナは顔を上げ、僅かに頷いた。
「良い事を言うじゃないかロック。…しかし、ちょっとレディへのボディタッチが多くないかな?」
「バッ…! ち、違うだろ! そういうのじゃないだろ!」
ロックは慌てて手を離し、しどろもどろになりつつ反論する。
ロックとエドガーのやり取りを見ていたティナは、唖然としつつも柔らかい笑みを浮かべた。
部屋の中に立っていたコールドホワイトも、やや嘲るようなものではあるが軽い笑い声を漏らしていた。
「…む…ぅ…? …っ!」
城内の異常を察知して目を覚ましたエドガーは、ベッドから起き上がると素早く王の装いへ着替える。
「エドガー様っ!」
「何事だっ!?」
部屋を出たエドガーの目に、燃え盛る己の城が映った。
消火せんと奔走する衛兵達の向こうに、高笑いする派手な男の姿を見る。
「ケフカっ! 何をするっ!」
エドガーが現れた事に気付いたケフカは、ほんの1秒前まで大口を開けて身を捩らせ笑っていたとは思えないほど、冷徹な表情で彼を迎えた。
「娘を出せ。それとも全員焼け死ぬかね?」
「くっ…」
エドガーは苦し気な表情を浮かべ、考え込む素振りを見せながら踵を返した。
そしてある部屋の前に控えていた兵に声を掛けた。
「…あれの用意を…」
「はッ!」
それを見たケフカは、邪悪な笑みを浮かべてゆっくりと歩み寄った。
「ヒヒッ…
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