白き極光編
序章
ウェルカム・トゥ・デザートキングダム
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りで部屋を去ろうとする。
その背にティナは呼び掛けた。
「なぜ、私に良くしてくれるの? 私のこの力が…」
その先の言葉をエドガーは遮る。
「まず、君の美しさが心を捕らえたからさ。第2に、君の好きなタイプが気に掛かる。魔導の力の事は、その次かな」
ティナは目をパチパチとさせながら首を傾げる。
その横のコールドホワイトは、あまりにクサイ口説き文句に笑いを堪えている。
「…私の口説きのテクニックも錆び付いたかな…」
どことなく寂し気な背中のまま、エドガーの姿は消えた。
「(…普通の女の人なら、その言葉に何かの感情を持つのね。でも、私は…)」
やがて2人はそれぞれ別の部屋へ案内され、ようやく骨休めが出来た。
コールドホワイトは装束を脱ぎ、カタナを抜いて刃こぼれや返り血による切れ味の衰えが無いかを確認する。
ニンジャのイクサに耐え得るよう鍛えられた物ではあるが、それにも限度がある。
この世界の人間は手強い。
得物の手入れを怠れば、自分はイクサの中でブザマな死を迎えるだろう。
「…俺は死なん…死んでたまるか…!」
一息つく事の出来たティナは、ようやく周りを見る余裕が生まれた。
既にエドガーから伝達されているのか、城内を歩いても従者や兵士が優しく対応してくれた。
エドガーは軽薄に見えたが、家臣1人1人への教育がしっかりと行き届いているのが伝わり、彼らもまた王へ強い信頼を向けている。
人を良く見て、気配りを怠っていない事の証と言えるだろう。
「…信用、しても…良いのかしら…」
見覚えのある廊下を歩くと、玉座の間へ辿り着いた。
「やぁ、ティナ。いかがだったかな? 私の城は?」
エドガーは国王とも思えぬ気さくさで、ティナへ語り掛けた。
と、ティナが口を開こうとしたその時、衛兵が扉を開けて駆け込んで来た。
「エドガー様! 帝国の者が来ました!」
その報告を聞いたエドガーは、精悍な顔に心底ウンザリといった表情を浮かべた。
「…ケフカか…」
あからさまにテンションの下がったエドガーが様子を見に出ると、既に2人の帝国兵を伴った男が城門を押し通って入って来ていた。
白い顔には派手なメイクを施し、身に纏う衣装も赤や黄色を中心に様々な色が用いられている。
その様はさながら道化師である。
「やぁやぁ、ガストラ皇帝直属の魔導師ケフカ殿がわざわざ出向かれるとは」
「フンッ、帝国からの脱走兵が逃げ込んだって話を聞いてな。1人の娘がねえ」
胸を反らして鼻を鳴らし、見るからに嫌味な態度でケフカは問うた。
「娘…魔導の力を持っているという娘の事か…?」
「余計な詮索はせんで良い。それより
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