白き極光編
序章
ウェルカム・トゥ・デザートキングダム
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そして周囲には監視塔が等間隔で円形に点在している。
「止まれ! …ん、お前か。通れ」
城門前に停止すると衛兵に呼び止められるが、どうやらロックは顔パスらしく通行を許可された。
ロックはスノーモービルの整備を頼むと、コールドホワイトとティナの2人を先導して城門をくぐった。
コールドホワイトの愛機は、元々は彼の世界の物であり、そこへガストラ帝国に雇われた際に魔導技術を導入した機体だ。
帝国でもそれなりのメンテナンスは可能だった以上、機械技術に長けたフィガロであれば任せても大丈夫であろう。
「よう、ドロボウ! お宝はゲット出来たのか?」
「上々ってとこだな。あと俺はトレジャーハンターだからな」
何人かの衛兵と言葉を交わしながら、城の奥へと進む。
そして、一際大きな扉の前へ立つと、ロックは2人へ向き直った。
「この先にいるのはフィガロの国王だ。若くて気さくな奴だけど、一応王様だからな。言葉遣いには気を付けてくれよ」
コールドホワイトは鼻を鳴らし、ティナはコクコクと頷いた。
イマイチ安心の出来ないロックではあったが、とりあえず脇にいる衛兵に頼んで扉を開いてもらう。
赤い絨毯の敷かれた玉座の間を進むと、2つの王座の向かって左に彼は座っていた。もう片方は空席だ。
「戻ったか、ロック。…この娘が…」
肩辺りまで伸びた金髪を、後ろへ撫で付けて縛った若い男性だ。
他の部分は綺麗に纏めていながら、敢えて前髪を2房ほど垂らしている部分にどことなく軟派な印象を与える。
椅子から立ち上がった彼は、ティナを興味深げに眺めていたが、何かに気付いたように顔を上げて背を向けた。
「おっと失礼。初対面のレディに対してする態度ではなかったな」
そして、大仰にマントを翻して再度こちらへと向き直ったのだ。
「私はフィガロ国王、エドガーだ。エドガー・フィガロ」
「…私、ティナです」
「ドーモ、コールドホワイトです」
エドガーはティナに詫びた後、コールドホワイトにも目を向けた。
「まさかニンジャまで連れて戻るとは思わなかったぞロック」
エドガーの言葉にロックは肩をすくめる。
「色々あってな。じゃ、俺はこの辺で失礼するぜ。またな」
ティナの肩に手を置き、ロックはそのまま部屋を後にした。
「君は帝国の兵士だってな。そちらの彼もかな? だが心配はいらない。フィガロはガストラ帝国と同盟国だ」
「表向きは…だろう」
コールドホワイトの一言に、エドガーは苦笑する。
「ふっ、ロックめ、その事も話したか。まぁ構わないさ。2人ともしばらくゆっくりしていくと良い」
エドガーは近くの従者に部屋の支度を命じると、王族特有の堂々たる足取
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