第六幕その九
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「哲学書や思想書でもね」
「中身がないのなら」
「もうね」
クッキーにどうかと言うお顔でお話します。
「本当にね」
「読まないことですね」
「そうすることだよ」
「他の本を読むことですね」
「私もそう思うよ」
「そうですか」
「そう、そしてね」
さらに言うのでした。
「オズの国はそうした本しかないからね」
「面白くてためになる」
「とてもね」
「いいことですね」
「そう思うよ」
「そこも外の世界とは違いますね」
「実際私達は面白くないと言われても」
それでもとです、カエルマンは言いました。
「具体的にはね」
「どんなものか知らないですね」
「オズの国は全てが面白くて楽しくて」
そうであってというのです。
「退屈もしないからね」
「面白くないと言われても」
「最初からオズの国にいるとね」
「わからないですね」
「全くね」
「だからである」
伍長も言ってきました。
「今面白くない本と言われてもである」
「わからないな」
「そうだよね」
王様とラベンダー熊もお話しました。
「具体的にどんなものか」
「感覚として」
「我々はぬいぐるみであるから飲んだり食べたりもせず」
こうもです、伍長は言いました。
「寝ることも休みこともないので」
「そうしたこともわからぬ」
「全くね」
「果たしてどんなものか」
「聞いているだけで」
「そうであるが」
それでもというのです。
「それと同じであるな」
「つまらない、無価値なものがどんなものか」
「具体的にはね」
「知ることはない」
「オズの国に最初からいれば」
「そうだね」
樵はここでこう言いました。
「僕も知らないよ」
「僕もだよ、ドロシーに会うまでの暫くの間動けなかったけれど」
「それぞれね」
「しかし面白くなかったか」
「動きたいと思っていても」
「それでもね」
「そう感じたことはなかったね」
面白くないと、というのです。
「今振り返ると」
「そうだよね」
「あの時はあの時でね」
「それなりに楽しいこともあったね」
「そうだったね」
「不幸だったかっていうと」
「違ったね」
「あの時大変だったんじゃないですか?」
ジョージは二人のお話を聞いて思いました。
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