第十二話 試合になりその十二
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「だから仕方ない」
「そうなんだな」
「皆乗ってくれ」
「僕飛べるけれどいいね」
「それでも乗った方が速いし楽だと思うが」
「その通りだよ」
魔挟人も否定しなかった。
「飛ぶにも体力が必要だしね」
「では君も乗るといい」
「それじゃあね」
「こいつ何だかんだ言って男にも優しいな」
鋼牙は面堂のこのことに気付いた。
「金も出してくれるしな」
「終ちゃんはそういう奴だ」
飛麿が答えた。
「男には冷たい様でだ」
「実はだな」
「結構以上に面倒見がいい」
「そういう奴だな」
「付き合いもいいしな」
「あんたともよく一緒にいるな」
「何だかんだでな」
飛麿は鋼牙に話した。
「子供の頃から一緒にいる」
「ライバルというより幼馴染みか？」
「そうかもな」
否定しなかった。
「実際終ちゃんが本気でいがみ合うのはな」
「妹さんだけだな」
「そうだよな」
銀太と八角が言った。
「見てるとな」
「そうだよな」
「お兄様が冷たくて悲しいです」
了子は?泣きと共にいった、涙を流しているが傍にいる黒子の一人がその手に目薬を持って立っている。
「私は」
「いや、違いますよね」
すぐに沫悟が突っ込みを入れた。
「それは」
「本当です」
「じゃあお口の中に鼠花火を入れたのは」
「兄妹のスキンシップです」
「コンクリートに詰めてもですね」
「そうです」
こう言うのだった。
「あくまで」
「そりゃ警戒されるだろ」
弁天はこう述べた。
「ずっとそんなことされたらな」
「普通の人なら大変よ」
おユキも言った。
「どうなるかわからないわ」
「というかよく生きてるなあんた」
良牙は面堂に真顔で突っ込みを入れた。
「親父さんもお袋さんも大概なんだろ」
「お祖父さんもと聞いてるだ」
ムースはこの人の話をした。
「相当だと」
「それで五体満足とはな」
九能も真顔だった。
「奇跡だ」
「そんな兄妹の関係だからな」
飛麿はまた言った。
「終ちゃんは了子ちゃんだけは別だ」
「それでも了子も乗せる」
ヘリにとだ、面堂は言った。
「皆と言ったし妹だしな」
「そこでそう言うのは凄いね」
タコス八郎が見てもだ。
「尊敬出来るよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいですが」
面堂はそれでもと言った。
「妹ですから」
「当然なんだ」
「はい」
そうだというのだ。
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