第十二話 試合になりその七
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「スライダーとツーシームで左右に投げられてな」
「カットボールもあるし」
「カーブとシンカーで斜めもあるな」
「落ちるボールでスプリットもあるわ」
「だから打てねえな」
「ええ、メジャーの人達でも苦労してるし」
世界最高峰の野球を行っているとされる彼等でもというのだ。
「私達じゃね」
「打てる筈ねえな」
「しかもそのうち幾つかが魔球だから」
「スライダー、カーブ、シンカー、スプリットか」
「スライダーはスイーパーでしたな」
弥勒がこう言ってきた。
「正式な名称は」
「そうなんだな」
「そしてそのスイーパーが一三八キロ出て五三センチ真横に曲がりまして」
そうした変化球でというのだ。
「カーブは最大落差一九二センチ、シンカーは一六三キロスプリットは一五一キロ出ます」
「あらためて聞くと打てるボールじゃねえな」
犬夜叉は右手で頬杖を付いて言った。
「どう見ても」
「そうだな」
殺生丸が見てもだった。
「打てるものではない」
「左様ですな」
「我々も完全試合を受ける直前であることも道理だ」
「やっぱり全打席ホームラン打たれてるしね」
珊瑚はこのことを話した。
「てんで相手になっていないよ」
「やっぱりバケモノだな」
犬夜叉は冷静に述べた。
「俺達が勝てる相手じゃねえな」
「ええ、皆大抵三振してるし」
かごめも冷静な顔である。
「物凄いわね」
「絶対に負けるな」
「そうなるわね」
現代と戦国時代を行き来する妖怪にまつわる者達も敗れた、最後は冥界にまつわる面々が試合を行ったが。
りんねはバッターボックスからベンチに戻った桜にだ、こう言った。
「一本も振れなかったか」
「もう速過ぎて」
桜はそれでと答えた。
「どうにもならなかったわ」
「まあ振ってもな」
「まぐれで当たる位ね」
「それで球威に負けてな」
「ボテボテのゴロになるわ」
「もうな」
それこそというのだ。
「到底打てるものじゃねえな」
「普通にね」
「この目でその活躍を見るとな」
翼も言葉がない感じだ。
「恐ろしいまでだな」
「阪神の人達の気持ちがわかるわ」
鳳も普段のやかましさがない。
「居合ホームラン受けた時の」
「スリーラン二本打たれたな」
「あの時ないんの人達死んだ目になっていたけれど」
「俺達もな」
「もうそんな目になってるわね」
「そこまでなってねえけれどな」
りんねはベンチにいる仲間達の目を見て話した。
「それでもな」
「全打席ホームラン打たれて」
桜は落ち着いた声で述べた。
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