第十二話 試合になりその五
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「二試合連続でね」
「全打席ホームランを打たれまして」
「完全試合負けだよ」
響子に話した。
「そうなるよ」
「もう九回でツーアウトですし」
「今から五代が行くけれどね」
「全力でいきます」
五代は覚悟を決める様にして応えた。
「そうしてきます」
「悔いのない様にね」
「やってきます」
こう言ってバッターボックスに立って三振した、一刻舘の面々も大谷選手と彼が所属するチームに敗れてしまった。
「う〜〜〜む」
「全然勝負にならないわね」
「そうだな」
乱馬はベンチであかねに応えていた。
「絶対こうなるって思っていたけれどな」
「いざこうなるとね」
「言うことねえな」
「そうよね」
「これが投打二刀流かよ」
良牙も驚いている。
「物凄いな」
「バッターとしてもピッチャーとしても最強過ぎるだ」
ムースもだった。
「無茶苦茶強いだ」
「僕達では相手にならない」
九能も同じ感想だった。
「恐ろしい人だ」
「このままでは大谷選手に全打席ホームランを打たれてだよ」
早雲は泣いていた。
「完全試合で負けるよ」
「そう言われてもな」
乱馬はピッチャーとして憮然としていた。
「凄過ぎてな」
「勝負にならないのよ」
あかねも父に言った。
「私達では」
「ううむ、困ったね」
「困ったって言っても」
かすみが言ってきた。
「お父さんもう試合も終わるわ」
「結局ね」
なびきも言ってきた。
「あたし達も完敗よ」
「どうにもならないわ」
「ううみ、勝てないとは思っていたけれど」
「やっぱりね」
「こうなったわね」
二人共あっさりとしていた、そしてだった。
最後のバッターである玄馬が三振に終わって言った。
「一六五出ていたではないか!」
「あの人出すって知ってただろうが」
乱馬は父親に冷めた目で返した。
「見られてよかっただろ」
「それはそうだが何だあれは」
玄馬も負けていない。
「恐ろしいものを見た」
「普通見られねえ位の速さだからな」
「全くだ、どうしても打てん」
「野球の神様でも打てねえよ」
「そうね」
あかねも否定しなかった。
「まさか私達もこの目で見られるなんて」
「ある意味よかったな」
「ええ、おじ様もよね」
「ここまで凄いのははじめてだ」
「そうですよね」
「ぐうの音も出ん」
玄馬はこうも言った。
「大人しく去ろう」
「ああ、負けたらな」
最後に乱馬が応え格闘にまつわる彼等も去った、そしてだった。
試合は続く、今度は畑中達だったが。
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