第十二話 試合になりその四
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「う〜〜〜む」
「全打席ホームランっちゃね」
「しかも一塁も踏めていない」
「まさにパーフェクトっちゃ」
「これがプロでな」
「大谷選手っちゃね」
「超人だ」
あたるは一塁側ベンチからスコアボードを見つつ話した。
「まさにな」
「その通りっちゃ」
「他の人達も凄いがな」
大谷選手の所属チームのというのだ。
「しかしな」
「やっぱりだっちゃ」
「大谷選手が凄い」
「もっと言えば凄過ぎるっちゃ」
「これではだ」
「勝てないっちゃね」
「絶対にな」
それこそというのだ。
「そうだな」
「そうっちゃね」
「もう八回だが」
「これは負けだっちゃ」
こう話して実際にだった。
あたる達は負けた、次は一刻舘の者達だったが。
「あの全然ですね」
「相手になっていませんね」
響子が五代に応えた。
「とても」
「メジャーは違います」
「そのメジャーでもです」
「大谷選手は特別ですから」
「この通りですね」
「私達も相手になっていません」
「バッターとしてはです」
四谷も言って来た。
「全打席ホームランでして」
「ピッチャーとしては完全試合ですね」
「これで、です」
四谷はさらに言った。
「どちらもです」
「二試合連続で」
「偉業です」
こう言っていいまでのことだというのだ。
「全く以て」
「そうですよね」
「流石ですね」
三鷹も脱帽していた。
「そう言うしかありません」
「本当に」
明日菜も言うことだった。
「これが大谷選手ですね」
「まさに」
「そうですね」
「恐ろしいまでですね」
「私達ではとても相手にならない」
「そこまでの人です」
「しかもじゃ」
五代の祖母が言ってきた、彼女は普通の老婆であり高齢のこともあってそれで試合には参加していない。
「勝とうとも全く驕らずな」
「謙虚だね」
「人格も見事じゃ」
「相手を馬鹿にしないで」
「決してな」
孫に話した。
「わし等もああでなければな」
「全くだね」
「そう思わせるまでにな」
「大谷選手は凄いね」
「うむ」
そうだというのだ。
「素晴らしい御仁じゃ」
「祖母ちゃんが見ても」
「全くじゃ」
「さて、これであたし達が負けるとね」
朱美は試合中なので今は煙草を吸っていない。
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