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ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
序章
エスケープ・ドゥ・マイン・シージ
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「イヤーッ! イヤーッ!」

 コールドホワイトは左手でスリケンを生成、連続投擲!
 ガード達の腕に次々に突き刺さり、彼らは銃を取り落とす!

「どけっ!」

 速度を緩めぬモンスターマシン!
 雄叫びの如きエンジン音と、恐るべきニンジャ存在感!
 銃を失ったガード達は、たまらず蜘蛛の子を散らすように逃げ去って行く!

「ゲートを破る! 備えろ!」

 コールドホワイトの忠告に、ロックは気絶したままの少女を抱き寄せるように守る!
 鉄のフェンスを食い破るかのように突破!

「わざわざバリケードまで用意してくれるとは気が利いているな。イヤーッ!」

 通り抜けざま、近くの櫓の支柱へスリケンを投擲投擲投擲! 集中投擲! そして倒壊! ガードによる追撃を阻む壁となった!

「(これが個人の戦闘力かよ…)」

 顔には出さないが、ロックは内心戦慄していた。
 ニンジャ…ごく最近現れ始めたその存在の噂を聞いてはいたが、そのイクサを目の当たりにしたのは今日が初めてだったのだ。

「(確かにこの力がリターナーに協力してくれるとなれば大きい…何より)」

 帝国側にもニンジャが複数雇われている噂が真実であれば、この男を味方に引き入れられるか否かの影響力は無視出来ないだろう。

「ぅ…」

 少女が小さな呻きと共に身動ぎする。
 ロックは自分が思いきり彼女を抱き締めている事にようやく気付いて慌てて力を緩めた。
 スノーモービルは既にナルシェを出て平坦な大地を疾走しているので、さっきまでのように衝撃に備える必要も無いだろう。

「気が付いたのか?」

 少女は上半身を起こし、ぼんやりとした目でロックの顔を見る。

「…私…助かったの?」

「モーグリ達に感謝するんだな」

 ロックに言われ、それまでの事を思い出そうとしているのか、少し考え込もうとする少女だったが、苦し気に頭を押さえた。

「うっ…はっきりと思い出せない…その前も…ずっと前の事も…」

「記憶が無いのか…!?」

 少女はゆっくり頷く。

「でも、時間が経てば戻るって…」

「記憶が…安心しろ。俺が必ず守ってやる。必ずだ!!」

 胸を叩くロックに、少女は驚いたように瞬きした。

「あ…そうだまだ名乗ってなかった。俺はロック。ロック・コール。トレジャーハンターだ」

「ロック…。私…名前は…ティナ」

「ティナか…良い名前だな。…で、そっちのが」

 ロックはスノーモービルを操縦する男へ視線を移す。

「ドーモ、コールドホワイトです」

「コールドホワイト…さん…? 声…」

「聞き覚えがあるか? …意識は封じられても、耳と頭には残ってるわけだ。帝国の兵士として後ろのあの街に来
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