激闘編
第百五話 瓦解の一歩
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、始めます」
「うむ」
「今作戦の目的は、ハイネセンでの作戦会議でも述べた通り、敵…帝国の心胆を寒からしめる事が目的です。ここまでで質問のある者は……居ませんね。情報漏洩を避ける為に具体的な攻撃目標はこれまで発表しませんでしたが、今ここに発表したいと思います。攻撃目標はキフォイザー宙域中心部、キフォイザー星系のガイエスブルグ要塞。この要塞を破壊します」
フォーク達が軽くざわついたけど、気にせず続ける。
「幸運な事にシャッヘンまでは帝国軍の姿はありません。おそらくアルメントフーベルも同様でしょう。そしてガイエスブルグ要塞には駐留艦隊は存在しません。フェザーン経由の情報でこれは明らかになっています…同要塞はイゼルローン要塞がそうだったように、帝国軍の武威の象徴です。この要塞を破壊すれば、帝国の威信は地に落ちるでしょう」
軽い沈黙の後、画面の向こうのムーアが手を上げた。
「どうぞ」
”占拠して基地として活用する、のではなく、破壊ですか“
「そうです。占拠し続けるにはガイエスブルグ要塞までの補給線を確保せねばならなりません。そんな余裕は我が軍にはありません。だが将来を考えるとあっても邪魔なだけです、この機会に破壊します」
”もったいない気もしますが“
「確かにもったいないですが、あれば帝国軍が使うだけです」
”そうですね、了解しました“
「続けます。同時にハーン宙域を確保、占領します。その為の部隊はビュコック司令長官が率いて向かっておられる。長官、そろそろイゼルローンを抜けた頃ですか?」
”うむ。明日にはアムリッツァに入る予定じゃよ。貴官の要請通り、帰還兵から百万人、同盟に残留を希望した元帝国兵、合わせて百五万人を輸送中じゃ。イゼルローンに集積してある物資も根こそぎ運んでおる“
「ありがとうございます」
流石にハーン占領には皆驚いているみたいだな。ハーン宙域は主要航路には位置しているものの、原作でもその存在が忘れられているような場所だ。辺境領主もそれ程おらず、帝国軍すらほとんど立ち寄らない、打ち捨てられたに等しい所でもある。以前行っていた経済援助もこちらには敢えて実施しなかった。ハーンの辺境領主達にアムリッツァの繁栄を見せつける為だ。帝国にも見捨てられたに等しいハーンの領主達がアムリッツァを見てどう思うか…。考えついたのは捕虜交換が終わってからだった。
帰還兵達がとりあえず同盟軍に復帰するとしても、もう戦うのはゴメンだ、という連中も大勢いるだろうと思ったからだ。同盟残留を決めた元帝国兵達の身の振り方もある。いきなり同盟社会に溶け込むのは難しいから、同盟軍が面倒を見るしかない。だからといって彼等が元の祖国と戦うのをよしとするか判断できなかったし、ならば彼等にも植民に参加してもらえばハーンの帝国人達の
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