激闘編
第百五話 瓦解の一歩
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帝国暦487年7月23日23:00
フォルゲン宙域、ヴァルトブルグ星系外縁、銀河帝国、銀河帝国軍、ミューゼル艦隊旗艦ブリュンヒルト
ラインハルト・フォン・ミューゼル
「叛乱軍に増援が現れました。半個艦隊規模、おそらく第十三艦隊だと思われます」
「…ヤン・ウェンリーではなくとも曲者なのだろうな、第十三艦隊の指揮官は」
「何故そう思われるのです?」
「考えてもみろ、初代指揮官がウィンチェスター、次がヤン・ウェンリーだ。二度ある事は三度あると言うではないか」
「冗談を言えるのであれば大丈夫ですね、ラインハルト様」
「何だと…」
キルヒアイスの言葉に、ふてくされるのが分かる自分が居る。
「他に何か変わった事は」
「増援を報告してきた通報艦は消息を絶ちました。他の偵察グルッペも同様です。叛乱軍はかなり厳重に警戒線を敷いている様です…同様に叛乱軍の偵察部隊も出没しておりますが、見つけ次第撃破しております」
警戒が厳重なのは理解出来るが、何故増援が半個艦隊のみなのだ…アムリッツアには五個艦隊の増援が入った筈、二個艦隊程寄越してもよさそうなものだが…。
「艦隊司令官達を集めてくれ。今後についての検討を行う」
23:30
ジークフリード・キルヒアイス
ミッターマイヤー、ケスラー、メックリンガーの三提督が乗艦したのは三十分程経ってからだった。
「この艦は自ら乗るものではないな、そうは思わないか、ケスラー提督」
「そうだな」
「メックリンガー提督、何故そう思われるのです?」
「キルヒアイス参謀長、卿はこの艦に乗っているからそうは思うまい…ブリュンヒルトは虚空の美姫だ。外から眺めるに限る」
「なるほど。でもブリュンヒルトはお飾りではありませんよ」
「当然だ。美しいものには刺があるというからな」
メックリンガー提督は芸術家提督と呼ばれるだけあって、表現が他の方達と少し違う。ケスラー提督やミッターマイヤー提督は慣れっこなのだろう、何も言わず頷いているだけだ。
「話が弾んでいる様だな、卿等」
フェルナー少佐を伴ったラインハルト様が会議室に入ってこられたのは、それから更に十分程経ってからの事だった。
「集まって貰ったのは他でもない。我が軍の行動を決定する為だ。通信でもよかったのだが、直ぐに状況が変わる訳でもない。顔突き合わせて話をした方が、気分転換になると思ったのでな…ロイエンタールには悪いが、卿は映像のみだ」
”三人寄れば賢者の知恵…と古くより言いますからな。小官は特等席で賢者ぶりを拝見させていただきます“
他人事か、などと野次が飛ぶ…これならいい、まだ士気は旺盛だ。ラインハルト様と共に彼等を選んだ私が言うのもおかしいが、彼等と行動を共にするようになって改めて判った事があ
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